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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第9章 原作編《神野事件》


紫沫SIDE


「ってめぇ!雪女!!今まで何処にいやがった!!?」
「やっぱり爆豪君だったんだね」

ぱっと見は特に怪我をしている様子はない。
さっきの爆発音は爆豪君のものだったのだろう。
どんな状況でも変わらないいつもの口調に少しだけ私も調子を取り戻せそうだった。
ふいに奥の壁側に置かれたモニターから自分の名前が聞こえた。

『攫われた爆豪くんや雪水さんについても同じ事が言えますか?』

映し出されていたのは雄英高校の記者会見らしかった。

『体育祭優勝、ヘドロ事件では強力な敵に単身抵抗を続け、経歴こそタフなヒーロー性を感じさせますが。反面、決勝で見せた粗暴さや表彰式に至るまでの態度など、精神面の不安定さも散見されています。もしそこに目を付けた上での拉致だとしたら?言葉巧みに彼を勾引かし悪の道に染まってしまったら?そして、公表はされておりませんが彼女は約半年前のヒーロー一家を襲った事件の被害者と伺いました。もし敵連合の中に犯人がおり、今度こそ彼女の命を狙っての拉致だとしたら?未来があると言い切れる根拠をお聞かせ下さい』

まさかこんなところであの事件の話をされるとは思ってもみなかった。
そして多分、目の前にいるのがその犯人。

『行動については私の不徳の致すところです。ただ…体育祭でのソレらは彼の"理想の強さ"に起因しています。誰よりも"トップヒーロ"を追い求め…もがいてる。あれを見て"隙"と捉えたのなら、敵は浅はかであると私は考えております。彼女につきましても我が校にて日々ヒーローを目指す者として切磋琢磨しており、成す術なくただ命を奪われることはないと考えております』
『根拠になっておりませんが?感情の問題ではなく具体策があるのかと伺っております』
『——我々も手を拱いてるワケではありません。現在、警察と共に調査を進めております。我が校の生徒は必ず取り返します』

先生は私達が敵連合に平伏すことなんてないと信じてくれてる。
沢山の人達が私達を救ける為に動いてくれている。
私がここで勇気を出さないでどうするんだ。
否定することを考えるんじゃない。
肯定することを考えて行動するんだ。
それだけの勇気を、力を、雄英で学んだ。
それに何があっても離れないって傍にいるって言ってもらった。
必ず戻るんだ。
皆のところに…焦凍君のところに…



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