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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


轟SIDE


「俺たちはまだ保護下にいる。ただでさえ雄英が大変な時だぞ。君らの行動の責任は誰がとるのかわかってるのか!?」
「飯田くん違うんだよ。僕らだってルールを破っていいなんて…」

弁解をしようと一歩踏み出した緑谷の頬を飯田の拳が容赦なく殴りつけ、投げ掛ける言葉の勢いは更に増す。

「俺だって悔しいさ!!心配さ!!当然だ!!俺は学級委員長だ!クラスメイトを心配するんだ!!爆豪くんや雪水くんだけじゃない!!君の怪我を見て床に伏せる兄の姿を重ねた!!君たちが暴走した挙句、兄のように取り返しのつかない事態になったら…っ!!僕の心配はどうでもいいっていうのか!!僕の気持ちは…どうでもいいっていうのか…!!」
「飯田くん…」

それでも譲れないものがある。
だが考え無しに行動を起こすつもりではないのだと告げる為、俺は口を開いた。

「飯田。俺たちだって何も正面きってカチ込む気なんざねえよ」
「…!?」
「戦闘無しで救け出す」
「ようは隠密行動!!それが俺ら卵の出来る…ルールにギリ触れねえ戦い方だろ」
「私は轟さんを信頼しています…が!!万が一を考え私がストッパーとなれるよう…同行するつもりで参りました」
「八百万くん!?」
「八百万!」

八百万からの返答を聞いた事で俺の中では救けに向かう事が決定事項となる。
それは緑谷と切島も同じだろう。

「僕も…自分でもわからないんだ…手が届くと言われて…いてもたってもいられなくなって…救けたいと思っちゃうんだ」
「……平行線か…——…ならば——…っ俺も連れて行け」
「!?」

こうして飯田と八百万を含めた五人で発信機の示す場所へと向かう事になった。

「暴力を振るってしまった事…陳謝する。ごめん…」
「本当ですわ、飯田さん。同行する理由に対し、説得力が欠けてしまいます」
「大丈夫だよ。気にしてないから」
「俺は…君たちの行動に納得いかないからこそ同行する。少しでも戦闘の可能性を匂わせれば即座に引き戻すからな…!言わば監視者…そうウォッチマン!」
「ウォッチマン飯田…」
「私もですわ。これはプロの仕事。端から見れば、あなた方が出張る必要性は一切ありません。しかしお気持ちがよくわかるからこその妥協案ということ…お忘れなきように」

それでも構わない。
これで漸く紫沫に手を伸ばすことが出来るのだから…


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