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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


轟SIDE


「いいですか?発信機の示した座標は、神奈川県横浜市神野区」

八百万の創った受信機で発信機の場所を確かめると、ここからは新幹線での移動となった。

「長野からの出発ですので約二時間…10時頃の到着です」
「あの…この出発とか詳細って皆に伝えてるの?」
「ああ。言ったら余計止められたけどな」
「あの後、麗日がダメ押しでキチい事言ってくれたぜ」
「麗日さんが?」

聞いた通りのままを切島は緑谷に伝える。

〈爆豪くんきっと…皆に救けられるん屈辱なんと違うかな…〉

その言葉を聞いた緑谷の表情は明らかに変わって見えた。

「一応聞いとく。俺たちのやろうとしてる事は誰からも認められねえエゴってやつだ。引き返すならまだ間に合うぞ」
「迷うくらいならそもそも言わねえ!あいつァ敵のいいようにされていいタマじゃねえんだ…!」
「僕は…後戻りなんて出来ない」
「そうか。なら良い」
「そう言えば、僕が遭遇した敵が聞いてきたのはかっちゃんのことだけだったのは何でだろう。それに、目標回収って言った時に雪水さんはいなかった。敵連合の狙いじゃなかったのかな…」
「攫った奴が残した言葉は気になるが、それだけじゃあ何が目的かはわからねぇ。けど攫われたのは事実だ」
「あの場にはプロヒーローの先生もいたってのに…只者じゃねえよな…」

ふと、紫沫に起きた事件のことが脳裏をよぎった。
犯人は未だ捕まらず手掛かりすら掴めていないと。
もしアイツがその犯人だったとしたら。
両親を殺しているのだ。
その上で紫沫を狙っているのだとしたら命を奪う可能性は大いにあり得る。
どれだけ焦ったところで今あるのは八百万が脳無に取り付けた発信機の居場所の情報のみ。
だが、そこにいるとは限らないのではないか?
やっと掴めると思った手がまた遠退いていく気がした。

「轟くん?」
「…何でもねぇ」
「かっちゃんも雪水さんも無事だよ、きっと」
「…ああ」

それは緑谷自身にも言い聞かせている言葉なのだろう。
だがそれは俺も同じだ。
今はそうする事しかできなかった。



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