第8章 原作編《林間合宿》
轟SIDE
しかしクラスの殆どは俺達の意見に反対の意を示している。
「ヤオモモから発信機のヤツもらって…それ辿って…自分らで爆豪の救出に行くってこと…!?」
「敵は俺らを殺害対象と言い爆豪は殺さず攫った。生かされるだろうが、殺されないとも言い切れねえ……それに紫沫もそうだ。攫っていった敵は「借りる」と言ってたが、それが本当かどうかなんてわからねぇ…俺と切島は行く」
「ふっ——ふざけるのも大概にしたまえ!!」
「待て、落ち着け。切島の「何も出来なかった」悔しさも、轟の「眼前で奪われた」悔しさもわかる。俺だって悔しい。だが、これは感情で動いていい話じゃない」
「オールマイトに任せようよ…戦闘許可は解除されてるし」
「青山の言う通りだ…救けられてばかりだった俺には強く言えんが…」
「皆、爆豪ちゃんと紫沫ちゃんが攫われてショックなのよ。でも冷静になりましょう。どれ程、正当な感情であろうとまた戦闘を行うというのなら——ルールを破るというのなら、その行為は敵のそれと同じなのよ」
蛙吹の言葉を最後に病室の扉から第三者の声がかかる。
「お話し中ごめんね——緑谷くんの診察時間なんだが…」
「い…行こうか。耳朗とか葉隠の方も気になっし…」
瀬呂が促し皆が病室の外へと出て行く中、後に残っていた切島が最後にもう一度緑谷へと声をかけるのを見届けてからその場を後にした。
「八百万には昨日、話をした。行くなら即行…今晩だ。重症のおめーが動けるかは知らねえ。それでも誘ってんのはおめーが一番悔しいと思うからだ。今晩…病院前で待つ」
そして——…夜
「八百万…考えさせてっつってくれた……どうだろうな…」
「まァ…いくら逸っても結局あいつ次第…」
その時、前方から二つの影が病院の中から現れる。
「お、来た」
「…!」
「緑谷…」
「八百万、答え…」
「私は——…」
「待て」
後方から八百万の答えを遮って声をかけられた為振り向くと、そこには昼間俺達に異議を唱えた人物の姿があった。
「!」
「飯田」
「…何でよりにもよって、君たちなんだ…!俺の私的暴走をとがめてくれた…共に特赦を受けたハズの君たち二人が…っ!!!何で俺と同じ過ちを犯そうとしている!?あんまりじゃないか…!」
「何の話してんだよ…」
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