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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


no SIDE


敵が現れたとの情報が告げられて少し経った頃。
ここは雄英の生徒達が肝試しに使っている森の中のとある場所。
荼毘の手により木々が燃やされ、辺りは火の海となっていた。

「あーダメだ、荼毘!!おまえ!やられた!弱!!ザコかよ!!!」
「もうか…弱えな、俺」
「ハアン!?バカ言え!!結論を急ぐな。おまえは強いさ!この場合はプロがさすがに強かったと考えるべきだ」
「もう一回俺を増やせ、トゥワイス。プロの足止めは必要だ」
「ザコが。何度やっても同じだっての!!任せろ!!」

施設から外へ出た相澤を"荼毘"が待ち受け相対したが、すぐに破壊されてしまっていた。
しかしそれは荼毘本人ではなく、トゥワイスと呼ばれた男の仕業らしい。
そして再び"荼毘"を施設へと向かわせたところへ業が口を開く。

「ねぇ、僕も付いて行っていいかな?」
「お前の力は必要ねェ」
「そうじゃなくてさ、個人的な用があるんだよね」
「…行ってこい」
「ありがと!大丈夫、合図があればすぐ戻るよ」
「あァ、遅れンじゃねェぞ」
「おっけー」

最後の言葉が聞こえた時には既に業の姿は目視できる範囲にはなく、足音もさせぬままその場を立ち去ったようだ。
目的地は"荼毘"が向かった施設。
程なくして到着すれば外に人の気配はなく、皆屋内に集まっているらしい。

「確かプロヒーローがいるんだっけ。ちょっと厄介だけど、"荼毘"が気を引いてくれている内に用を済ませなきゃな」

先程のように姿が忽然と消える。
誰にも悟られぬ様音もなく屋内へと潜り込んで行った。
生徒達がいるであろう部屋を見付けると、"荼毘"がプロヒーローらしき人物に捕まっている姿を見付ける。

「流石だね。でも、こっちには好都合だ」

プロヒーローが"荼毘"から目を離せないなら、残るは生徒のみ。
つい先日まで中学生だった子どもに気取られるようなことはないのだろう。
目的の人物の背後に立ち、すかさず何かの薬液を含ませた布を持った手で口元を覆った。

「やァ、久しぶりだね。会いたかったよ」

そう漏らした直後、只者ではないその身のこなしに誰も気付くことなく、目的を果たした業は森の中へと戻って行った。














「あれ?雪水は…?」
「!!?」

生徒が一人姿を消したことに気付いたのはそれから少ししてのことだった。


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