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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


「紫沫…」
「…え?」

そう呼ばれてドキリとした。
今までずっと苗字で呼んでいたのに、なんでいきなり名前?
しかも呼び捨てだし…

「悪ぃ、人違いだ…」
「え、あの、それ、私の名前…」
「…は?」

目の前の彼のこんな間抜けな顔初めて見た。
いや、それよりも、何故いきなり私の名前を呼び捨てにしたのか聞きたい。

「…雪水の下の名前、知らねぇ…」

あれ?そう言えばちゃんと自分で名乗っていない…?
偶然先生が呼んでいたのを聞いて知ったと言っていたから、下の名前を知らなくてもおかしくない。
寧ろ、それで自己紹介を怠ったのは私自身なわけで。
でも、そしたら、何故彼は私の名前を口にしたのか。
訳がわからなくて、上手く言葉が出てこない。

「えと…凄く今更なんだけど、私の名前は雪水紫沫。ちゃんと自己紹介してなかったね…」
「いや…俺も聞いてねぇからな…悪ぃ、頭の中が上手く纏まらねぇ…」
「うん…私も…ていうか、痣消えて良かった」
「…ああ、やっぱりこれはお前の"個性"のお陰なんだな…」
「あ、うん…切り傷とか骨折は無理だけど、軽い内出血とか痣程度なら治癒できるんだ」

さっきの混乱ですっかり忘れていたけれど、元々は彼の痣を治したくて、"個性"を発動させていたのだった。

「ありがとう。助かった」
「どういたしまして。って、私が勝手しただけなんだけどね」
「いや、それでも治癒してもらえるのはありがてぇ」
「うん…」
「…」

その後の言葉が続かなかった。
お互いきっと、まだ頭の中で整理ができてなくて、疑問ばかりが巡っている。
答えをお互いに持ってる筈なのに、何をどう聞けばいいのかがわからない。

「…なぁ、さっきの"個性"っていつ発現したんだ?」
「いつだったかな…あんまり覚えてないんだけど…4歳くらいだったと思う」
「そうか…」
「…なんで、轟君は私の名前知ってたの?」

その質問にすぐには返事は返ってこなかった。
何か考えているのか、暫く黙ったまま何も言う気配がなくてどうしようかと思っていると。

「…昔、4歳くらいの時、たまたま家の近くの公園で知り合ったのが紫沫っつう名前の子だった…」
「え?もしかして私達知り合いだったの?」

彼の口から、衝撃的事実が告げられた。


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