第8章 原作編《林間合宿》
紫沫SIDE
三日目昼・続・"個性"を伸ばす訓練!!
「補習組、動き止まってるぞ」
「オッス…!!」
「すいません。ちょっと…眠くて…」
「昨日の"補習"が…」
「だから言ったろキツイって」
昨日の夜、深夜2時まで補習を受けても起床時間が7時であることは変わらない。
私もその参加者の1人だったお陰で絶賛寝不足である。
就寝時間で言えば補習組よりさらに遅い。
これに関しては自業自得な部分があるのだけれど。
そんな状態だから、相澤先生が懇々と何か説明をしているのが聞こえて必死に耳を傾けるけど、ほとんど聞き逃してしまっていた。
「ーー…そして何より期末で露呈した立ち回りの脆弱さ!!おまえらが何故他より疲れているか、その意味をしっかり考えて動け」
最後だけでも聞けて良かった。
その言葉に少しずつ脳が冴えてくる。
「麗日!青山!おまえらもだ。赤点こそ逃れたが、ギリギリだったぞ。30点がラインだったとして35点くらいだ。気を抜くなよ。皆もダラダラやるな。何をするにも原点を常に意識しとけ。向上ってのはそういうもんだ。何の為に汗かいて何の為にこうしてグチグチ言われるか。常に頭に置いておけ」
(原点…)
自分の意思を貫いて私は今ここに立っているのだ。
やっぱり相澤先生の言葉はとてもやる気にさせてくれると再確認して、改めて特訓を再開しようとした時、ピクシーボブの声が聞こえてきた。
「ねこねこねこ…それより皆!今日の晩はねぇ…クラス対抗肝試しを決行するよ!しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある!ザ!アメとムチ!」
「ああ…忘れてた!」
「怖いのマジやだぁ…」
拳藤さんと耳郎さんにとても同感。
忘れていたし、怖いのはあまり得意ではない。
「闇の狂宴…」
「イベントらしい事もやってくれんだ」
「対抗ってところが気に入った」
「というわけで、今は全力で励むのだあ!!!」
「「「イエッサア!!!」」」
私にとってはあまりテンションの上がる要素ではなかったけれど。
相澤先生の言葉と特訓の後の焦凍君と肉じゃがを一緒に作ることを糧に、今日を何とかやり切ると意気込んでから、今度こそ特訓を再開した。
.