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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


紫沫SIDE


夕飯が終わり入浴も済ませた後は、疲れた体を少しでも癒す為に就寝。
という訳にはいかなかった。
赤点組の補習が待ち構えていて、それが終わったのは深夜2時。
本来の就寝時間が10時であった為他の皆は既に寝静まっている。
芦田さんと二人うつらうつらしながら部屋に向かう途中、喉の渇きを覚え1人自販機に寄って何を飲もうかと考えていると後ろから声を掛けられた。

「紫沫?」
「焦凍君?こんな時間にどうしたの?」
「たまたま目が覚めちまって、飲み物買いに来た」
「そっか。私は漸く補習が終わったところだよ」
「こんな時間までやってたのか」

会話をしつつ決めた飲み物のボタンを押して場所を譲る。
最初から決めていたのか、焦凍君は迷うことなくボタンを押してすぐに買い終わっていた。
その場に用はもうないのに何故だかお互いそこから動かないでいる。

「ねぇ、良かったら夜風に当たりに行かない?」
「ああ」

気まぐれに合宿所の外に出ると、満点の星空が目に入った。

「わぁ、凄い。周りに邪魔するものがないから夜空が綺麗だね」
「そうだな」
「何だかここに焦凍君と私の2人しかいないみたい…なんてね」

幻想的な光景に呑まれたのかそんな言葉を口にしていて、少し冗談交じりに誤魔化しながら焦凍君の方を見る。
星空にも負けないくらい綺麗なオッドアイと視線が交わった。
もしかしたらこっちの方が綺麗かもなんて思ってしまう。

「紫沫と2人なら本望だ」

見つめ合ったままそんな事を言うから本当に勘違いしてしまいそう。
無性に焦凍君に触れたくなって、私は手を伸ばした。
指先からゆっくりと。
感覚を一つも取りこぼさないように研ぎ澄まして焦凍君の頬へと沿わせる。
それに合わせて距離も縮めて、少しだけ踵を上げて。
自ら唇を重ねた。
腰と頭に回された腕の温もりが心地いい。
私からしたのは触れるだけのキス。
焦凍君から返ってきたのは深いキス。
自然と私は首に腕を絡ませていた。
何度も角度を変えて降り注がれる甘い口付けは私をあっという間に酔わせてしまう。

「んっ…」

あまりの気持ち良さに声が漏れた。
緩やかに放された唇はどこか名残惜しさを感じていたけど。

「そろそろ部屋戻るか」
「うん」

いつまでもここにいるわけにはいかないから。

「おやすみ」
「おやすみ」


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