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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第8章 原作編《林間合宿》


紫沫SIDE


"個性"がどこまで魔獣に通じるかわからない為、先ずは足止めを試みる。
周りへの影響を考えて少し離れたところで。
手始めになるべく魔獣の周りにだけ"雪"を集中させてると足元に雪が積もったことで動きを止めた。
あまり長くはもちそうにないと思ったところへ、後方からすかさず八百万さんの創造した大砲が魔獣を破壊してくれた。
1人の力で倒すことが無理でも周りには頼もしい仲間がいる。

「八百万さん!ありがとう!」
「お安い御用ですわ!!」

そうして行く手を阻んでくる魔獣を倒しながら少しずつ前に進んでいくと、反動で身体の周りを冷気が纏い始めていることに気付く。
サポートアイテムのお陰で制服が凍る気配はない。
たまたま近くにいた焦凍君が声を掛けてくれた。

「大丈夫そうか?」
「うん、ちゃんと作動してる。でも、一度直接触れて凍らせてみる。焦凍君の"個性"みたいに氷漬けには出来ないけど、動きを止める位にはなるかもしれないから」

私の冷気は氷を生むようなものではない。
あくまで表面を凍らせる程度のもの。
最終試験の後、反動をどうしようかと考えた時に戦闘の術なのであれば逆に利用してみるのもありかもと思ったのだ。

「無理はすんなよ。動けなくなったら本末転倒だぞ」
「ありがとう。今の自分に出来る限界まで頑張るよ」

思いつく限りの手段を試しつつ、施設までの道のりを辿る。
それぞれが疲労困憊になりながら、漸く辿り着いた頃には辺りはすっかり茜色に染まっていた。

「やーっと来たにゃん。とりあえずお昼は抜くまでもなかったねえ」
「何が「三時間」ですか…」
「腹へった…死ぬ」
「悪いね。私たちならって意味。アレ」
「実力差自慢の為か…」
「ねこねこねこ…でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら…特に、そこ4人」

そう言った金髪のプロヒーローことピクシーボブは真っ先に魔獣に駆け出した4人を指す。
因みに名前は緑谷君が教えてくれた。
きっとこれは女の勘みたいなもので、何故かその時の目つきが気になって私は焦凍君の傍まで近寄る。

「三年後が楽しみ!」

この時の私は疲れて頭が正常に働いてなかったんだと思う。
4人に駆け寄るピクシーボブを見て、私は普段なら絶対にしないような行動に出てしまうのだった。


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