• テキストサイズ

【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第7章 原作編《夏休み》


紫沫SIDE


学校のプールに行った日の帰りに焦凍君と花火大会に行く話をして、すぐに睡さんに確認すると遅くならなければ構わないと許可をもらうことができた。
そして、その花火大会というのは林間合宿が始まる前日。
流石に帰ってきてから荷物を用意するのは大変なので事前に準備を済ませ時計を見ると、待ち合わせまでの時間には余裕があって暇を持て余していた時、睡さんが部屋にやってきて折角だからと浴衣を着せてもらうことになった。
普段下ろしている髪の毛も結い上げてもらっていると睡さんのテンションがどんどん上がり、薄く化粧までされてしまう。
そうこうしている内に待ち合わせの時間ギリギリになっていて、慌てて家を出た。

「焦凍君!ごめん!待たせた?」
「……」
「えっと、焦凍君?」
「ああ、悪ぃ。なんかいつもと雰囲気違ェからびっくりした」
「あ、これね。睡さんが折角だからって色々してくれたんだけど、それで時間かかっちゃって…」
「いや、そんな待ってねぇから大丈夫だ」
「ならよかった」
「それに花火まではまだ時間あるしな。屋台行きてぇんだろ?」
「うん!」

花火大会と屋台も出ているとポスターに書いてあったのを見て、一緒に周りたいとダメ元で言ってみたらあっさりと了承してくれて、花火の始まる少し前に待ち合わせをしていたのだ。
会場に着くと既に人でごった返していた。

「わぁ…これ、はぐれたら大変だね」
「こうしてたら問題ねぇ」

そう言いながら焦凍君は、所謂恋人繋ぎで私の手を握った。
実を言うと手を繋いだのはまだ数回しかなくて、キスをするよりも緊張してしまう。
でも、焦凍君の手が好きな私は繋がれたことに嬉しさも込み上げてきてぎゅっと握り返していた。
それに気付いてなのか向けられた目は少し細められていて、それを見た私も自然と笑みを零し、屋台が立ち並ぶ通りへと歩みを進めた。

「こういうとこあんま来たことねぇ。紫沫に任せる」
「そうだなぁ、じゃあ定番の焼きそば食べる?」
「そば…ザルのやつはねぇのか?」
「…流石にないんじゃないかな?」

これは冗談のつもりなのだろうか。
もしかして本当は屋台が初めてだったりするのかもしれない。
チラリと見た横顔は相変わらずの無表情だったけど、心なしかウキウキしているようにも見えて、誘ってよかったとこの上なく思ったのだった。


.
/ 456ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp