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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


「今回の試験、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るよう動いた。でなければ課題云々の前に詰む奴ばかりだったろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは…」
「追い込む為さ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点取った奴こそ、ここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」
「「「ゴーリテキキョギィイー!!」」」

その言葉にはとても聞き覚えがあった。
確かに効果的な追い込み方だけれど、される立場からするとあまり賛同はしたくない。

「またしてやられた…!さすが雄英だ!しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
「わあ、水差す飯田くん」
「確かにな。省みるよ。ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ。おまえらには別途に補習時間を設ける。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな。じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」
「ーーー!!」

順番に回されるしおりが私の手元まで来たところで、相澤先生が再び口を開いた。

「それと雪水の件だが、このままヒーロー科在籍ということになった」
「っ!?」

あまりにあっさりと告げられた結論に一瞬我が耳を疑い、言葉が出なかった。
もう少し時間がかかるだろうなとか呼び出しがかかるんだろうなとか思っていたから、心の準備が全く出来ていなかったのだ。

「実のところ、ただ制御できないからとヒーロー科に置いたわけじゃない。お前の"個性"に可能性があると思えたからそうしたまでだ。ただし、本人にその気がないならこれから先のヒーロー科ではやっていけないと普通科を用意していたんだが、本人たっての希望があったからな」
「可能性…」

それは以前にも相澤先生が言ってくれた言葉だった。

「しかし、漸く"個性"を扱えるようになっただけで経験不足だぞ。そこでさっきも言ったように力を付けてもらう為の林間合宿だ。赤点生徒が受ける補習に参加してもらう。クラスの奴らより何歩も遅れているという自覚を持てよ」
「はい!」

私の方もどんでんがえしのような結果に嬉しさが込み上げてきた。
出遅れていることは百も承知の上。
これから、ここからが私のスタートラインだ。


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