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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


「あ!この前いた子だ!」

1年に数回訪れる母の実家近くの公園に遊びに来ていた私は、以前知り合った男の子を見つけ一目散に駆けていく。

「今日はもう痛いのない?大丈夫?」
「君は…あの時の…」

またしても以前のように蹲っていたその子は、やはり痣だらけで。
泣いてはいないものの、あの時と同じ表情をしていた。

「また、痛いの?」

その姿になんだか自分が泣いてしまいそうになり、そっと抱きついて。

「痛いの痛いのとんでけ」

そう口にすると、あの時と同じキラキラした雪の結晶が舞い落ちる。
まだ思うように"個性"を出せるわけではなかったけど、何故だかこの時は簡単に出てきて。

「きれい…」

以前と同様にそう呟いた男の子の痣は徐々に消えてなくなり、その表情はさっきよりも穏やかになっている気がした。

「紫沫ちゃんの"個性"はいつも僕を助けてくれるね」
「そうかな?へへ、嬉しい」
「うん。紫沫ちゃんの"個性"はきれいだよ」

そう言って笑顔を浮かべる男の子になんだか心が温かくなる。

「紫沫ちゃんはまたここに来る?」
「んー、次いつこれるかわかんないけど、絶対また来るよ!」

ここに来るのは本当に不定期で、次いつになるのかはわからなかったけど、また会いたいという気持ちがあるのは確かだった。

「じゃぁ、僕はもう帰らなきゃ」

そう言って立ち上がった男の子は名残惜しそうにこちらを見つめる。

「きっと、また会えるよ」
「…うん。きっと、また会おうね」
「うん!_______君、またね!」















起床時刻を知らせるアラームの音が鳴り響いてる。
いつものように手探りでそれを止め、ゆっくりと瞼を上げ。

「……夢?」

なんだか同じような夢を前にも見たような…
思い出そうにも今見た夢すら曖昧にしか残っていなくて、それ以上考えるのをやめた。
時計を見れば時刻はいつもの起床時間より10分以上経っている。

「……また寝坊した!!」

今ではもう着慣れている制服に袖を通し、急いでリビングへと。

「紫沫はいつになったらちゃんと起きれるようになるのかしら…」

寝坊しているのがわかってるなら起こしてくれたっていいのに!

「行ってきます!!」

この日も全速力で学校へと向かった。


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