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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


「相澤先生、私からも一ついいですか?」
「なんだ?」
「もし、学校が許してくれるのなら…私はこのままヒーロー科に在籍したいです。1学期という短いようで長い間、皆の姿をすぐ近くで見てきて、ヒーローというものを間近で体験して、憧れが生まれました。そして私も同じ舞台に立ちたいって…思わずにはいられませんでした。今日の試験も、きっと前のままの私だったらクリア出来てなかったです。だから今ここで改めて…皆と一緒にヒーローを目指したい!!」

今まで心の中だけだったものをちゃんと言葉で口にした事で、一層その気持ちは強く自分の中にあるのだと実感する。
だからこそ、私は先生を真っ直ぐ見据えたまま次の言葉を待っていた。

「そうか。ならばこの話は一旦保留としよう。結果が出次第伝える。というわけで、お前らはさっさと教室に戻る様に。以上!」
「よ、よろしくお願いします!」

正直こうもあっさり受け入れてもらえるとは思っていなかった。
いや、保留だからまだわからないけど。
それでも今すぐに普通科、という事にはならずに済みそうだと安堵した。

「ヒーローになりてぇって思ってたんだな」

誰よりも早く、私に声をかけてきたのは轟君だった。

「自覚したのはついさっきの事なんだけど…」
「いいんじゃねぇか?目指したいものがあるなら。それがいつからなんて関係ねえだろ」
「っうん!」

それを皮切りにクラスの皆からも声を掛けられて、教室に戻るまでの間、入学当時にはなかったヒーローを目指したいという気持ちが芽生えたことについての話を沢山した。
ずっと胸の奥にあった後ろめたさを払拭するかの様に、皆は喜んで受け入れてくれて、更に一緒に頑張ろうと言ってくれた。
まだヒーロー科にいれると決まった訳ではないけれど、こんなにも心強い仲間が居てくれることが嬉しくてたまらない。
その日は試験のみで、結果は後日わかるとのこと。
実技試験で条件達成できなかったチームもいて、私だけじゃなくて、クラス全員がそれぞれに思案を巡らせるものとなった。


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