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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


「え?あれ?期末試験終了なんですか?」
「あんたはこれからだよ。さァ、皆もう戻ってきてるだろうから外に行きな」

それ以上は何も教えてくれそうにない雰囲気に、私と緑谷君は言われるままに外へと出た。
すると、そこには1-A全員と相澤先生が揃っていて、皆も私達同様何も知らされていない様でこれから告げられるであろう言葉を待っている。

「来たな、雪水。さて、一旦は期末試験お疲れ。そして、今から雪水の最終試験を行う」
「え?最終試験って…期末じゃないんですか?」
「話を最後まで聞け。先ず、雪水が雄英に来たのは"個性"の制御が目的だ。突然だった事もあり、お前らの様に入試を受けていない」

まさかここでそんなカミングアウトがあるとは思わず、私はずっと胸の中にあった後ろめたさから周りの反応を見るのが怖くて、顔を俯かせた。

「まァ、事情があるだけに仕方ない面はあるが、それをそのままに良しとはならない。それに相応する実力があるかどうかの判断をするのが最終試験という訳だ。クリアの条件は"個性"の制御。制限時間は30分。勿論解っているとは思うが、何があっても俺が"個性"を使う事はない。最後に…気を失った時点で雪水は除籍処分とする」
「除籍…処分…」

その単語に愕然とするしかなかった。
突き付けられた現実にどうする事も出来ないまま、用意されたバスに乗って試験会場へと向う。
試験会場に入る前に、轟君が声をかけてくれた。

「紫沫、ちゃんと見てるからな」
「うん…」
「あんまり難しく考えねぇ方がいいぞ。前は"雪"も使えてただろ」
「そう、だね…」
「小っちぇ時に言ったこと覚えてるか?」
「え?」
「俺も、紫沫の"個性"が好きだ」
「ぁ…ありがとう」

以前にも言われたことがあるその言葉の本当の意味を、この時の私は気付くことが出来なかった。
今回はさっきと逆で、私が試験を受けている間1-Aの皆はモニタールームでそれを見ているんだそうだ。
私に用意された試験会場は吹きさらしになった障害物が何もない場所。まぁ、私の条件にはどんな所でも関係ない気はするけれど。
中に入ると一人だからなのかやたらと広く感じる。
中央辺りまで進み、一度深呼吸をした。
やるしかないと、絶対に条件達成するんだと自分に言い聞かせ、スタートの合図を待った。


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