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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


残り時間僅かとなり、私達は峰田君・瀬呂君チームの戦闘を見ていた。

「まだ全然チャンスはありますよね!」
「どうかねぇ。やる気が途切れる者ならともかく…ああなると厳しいかもねぇ」
「あれだけ林間合宿楽しみにしてた峰田くんが、何故…」
「まぁ、オールマイト(あんたのとこ)とマイク…セメントスそしてミッドナイトは特に難易度高いからねぇ。人によっちゃ詰む…「詰んだ」と認識しても仕方ないよ」
「ああいう子はここで生き抜くには辛いかもねぇ」
「?」
「それはどういう事ですか?」
「雄英は絶え間なく壁を用意し、それを超えさせるって方針。そこを息切れせず乗り越えていくには"具体的な目標"を見据えている必要があるのさ。「なんとなくヒーローやりたい」で登れる程易しい道じゃないんでね。仮にヒーローになれたとして、"ヒーローになること"がゴールの人間に先はない。果たしてあの子の心に見据える目標が存在するのか…」

リカバリーガールの言葉に、図星を突かれた様な気分になった。
今の私にはそんな大それたものが何一つとしてなかったから。
目の前で逃げ出している峰田君も同じなのだろうかと思っていると、あまり聞こえない筈の音声が嫌にはっきりと聞こえてきた。

『女体触りたい…モテたい…』
「直球だね」
「え?それがヒーローになる為の目標って有りなの?」

他が為に…ヒーローはそういうものだと思っていた私は、この自己的な言葉に驚いた。

《あっと、ここで、麗日・青山チーム…条件達成!!》

また一組、条件達成チームが告げられる。
皆順調にクリアしている様でそれはとても喜ばしいことだった。
そして、視線の先は峰田君のままで、ここに来て大番狂わせが起きていた。

「ゲートから離れたとこに張りつけたことで、眠り香が届かないように…!」
「器用な子だね…!すっかり騙されちまったよ、私ぁ…!"モテたい"も突き詰めれば見据えるべき一つの"目標"ね」

その言葉に、はっきりとしないままだった想いが何かと繋がった様な気がした。

《峰田・瀬呂チーム条件達成!!そしてタイムアップ!!期末試験これにて終了だよ!!》

それぞれの課題を宛てがわれた期末実技試験終了を告げる声が全ステージに響き渡った。

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