第6章 原作編《期末試験》
紫沫SIDE
相澤先生が続けて次のチームを発表する。
「そして緑谷と爆豪がチーム」
「デ…!?」
「かっ…!?」
「で…」
「相手はーー…私がする!協力して勝ちに来いよ、お二人さん!!」
さっきとは違う意味で驚きの組み合わせに、この期末テストが一筋縄ではいかないという事を示唆し始めていた。
そして、全ての組み合わせが次々と発表されて行く。
校長vs芦戸・上鳴
13号vs青山・麗日
プレゼント・マイクvs口田・耳郎
エクトプラズムvs蛙吹・高山
ミッドナイトvs瀬呂・峰田
スナイプvs葉隠・障子
セメントスvs砂藤・切島
パワーローダーvs飯田・尾白
「それぞれのステージを用意してある。10組一斉スタートだ。試験の概要については各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ。時間がもったいない。速やかに乗れ」
そして、皆がバスへと向かう中、私はその場から動けずにいた。
発表された中に自分の名前がなかったのだ。
「あの、相澤先生、私は…」
「お前は一番最後に行う事になっている。それまではリカバリーガールの元で全員の試験を見ていろ」
「…はい」
まさかの展開に私はただ従う事しか出来なかった。
轟君が少し気にかけてくれていたけど、すぐにステージへ向かえとの指示だった為、既に姿はない。
胸の中がモヤモヤしながらも、リカバリーガールの出張保健所のテントへと向かった。
「リカバリーガール、お邪魔します」
「いらっしゃい。あんたの事は聞いてるよ」
テントの中には大きな画面に数カ所に設置されているであろうカメラの映像がいくつも映し出されていた。
「あの、この期末試験の概要って聞いてもいいですか?」
「そうさね。見るなら知っておいた方がいいだろう。制限時間は30分。目的は「ハンドカフスを教師に掛ける」or「どちらか一人がステージから脱出」する事」
「それって、先生相手にどちらも難し過ぎる気が…」
「そこで、教師は体重の約半分の重量を装着するっていうハンデをつけてるんだよ」
「成る程」
「さて…今日は激務になりそうだ」
リカバリーガールが画面前にあるマイクのスイッチを押すのが見えた。
《皆、位置についたね。それじゃあ今から、雄英高1年期末テストを始めるよ!レディイイーー…ゴォ!!!》
演習試験開始の号令が全ステージに響き渡った。
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