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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


いよいよやってきた、期末テスト初日。
最初の三日間は筆記のみで、特に問題なく答案を埋められたから赤点の心配はしていない。
不安そうにしていたクラスメイトも八百万さんの勉強会のお陰で赤点は免れそうだと言っていた。
そして、演習試験当日を迎える。

「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でも、もちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃみっともねぇヘマはするなよ」
「先生多いな…?」
「確かに。対ロボットじゃないのかな?」

事前情報と違っていたとしても、結局この日まで"個性"をマトモに使えないままの私は、今更どうする事も出来ないと半ば諦めに近い状態だった。

「諸君なら事前に情報を仕入れて何するか薄々わかってるとは思うが…」
「入試みてぇなロボ無双だろ!!」
「花火!カレー!肝試ー!!」
「残念!!諸事情あって、今回から内容を変更しちゃうのさ!」
「校長先生!」
「変更って…」

相澤先生の捕縛布の中から突如として校長先生が現れ、試験内容が変わった事を告げた事で、芦戸さんと上鳴君がその場で固まってしまう。

「それはね…これからは対人戦闘・活動を見据えた、より実践に近い教えを重視するのさ!というわけで…諸君らにはこれから、二人一組(チームアップ)でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」
「先…生方と…!?」
「え?二人一組って…1-Aの生徒は21人…」

何だかとても嫌な予感がした。

「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度…諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから、発表してくぞ。まず、轟と八百万がチームで、俺とだ」

一発目に轟君の名前が呼ばれた事にも驚いたけど、その組み合わせにも心が少し騒ついてしまう。
そう言えば、二人は推薦入学者だったという事を思い出して、何かしらの関係性がそこにはあるのかもなんて邪推している自分がいた。
只の言い訳にしかならないけど、"個性"の事もあって、この時の私は余計な事ばかりが浮かんでしまう状態だった。
けれど、期末試験に合格してほしいという気持ちは間違いなくあったので、こっそりと轟君に視線を送るとこっちを向いてくれた。

「轟君。試験、頑張ってね」
「おお。言われるまでもねぇ」

その言葉に、私も悲観ばかりせずに兎に角頑張るしかないと少し勇気をもらえた気がした。


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