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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


そのまま、添い寝をする様に隣に寝転んだ轟君に顔だけを向けると、少し目を細めてこちらを見ていた表情が初めて見る気質の穏やかな雰囲気を醸し出している。
その雰囲気に言いようのない幸せを感じている自分がいて、自然と口許が緩んでしまう。

「無理させたかもしんねぇのに、そんな顔されたらもっと欲しくなっちまうぞ」
「えっ…いや、無理はしてないけど…今はまだちょっと…」
「なら、もう少ししたらいいのか?」

その発言に、言葉の選択肢を間違えたと思った。
直ぐに訂正をしなくてはと、慌てて口を開く。

「あ、ほら、今日は勉強する為に来たんでしょ!?」
「…そういや、そうだったな」

本当に今まで忘れていた様な顔をしていたから危なかったと思い、漸く動けるまでに回復した身体を起こした瞬間、ドロっとしたものが腹部を垂れていくのが目に見えた。

「あ…これ…」
「悪ィ、すぐ拭く…って、何してんだ」

殆ど無意識にそれに触れてしまい、初めて見る手についたものに嫌悪感みたいなのはなくて、寧ろ轟君のものだと思うと少し興味が湧いてしまった。
おもむろにそれをよく見ようとしたところで、轟君に手を取られ制止される。

「止めてくれ…あんま気分の良いもんじゃねえだろ」
「そんな事ないけど…」
「俺が良くねぇ…」

確かに、一般的にはそういう類のものではあるし、私自身もそう思ってはいるけど、何だか目の前のものにはそうは思わなかった。
けれど無理に見ようとはせず、轟君のいう通りにそれ以上は止めて、部屋にあったティッシュを持ってきてもらい綺麗に拭き取る。
そしてお互いにほぼ裸の状態な事に気付いて、慌てて服を着た。
部屋の電気もついたまま行為に及んでしまっていた事に今更ながら恥ずかしさが込み上げるも、大して気にした様子のない轟君に自分だけこんな気持ちになっているのが変に思えて頭を勉強に切り替える事にした。


その後、何とか勉強に集中して、睡さんが帰って来る前には自信のないところは大方片付ける事が出来ていた。

「これ位出来れば大丈夫だろ」
「うん!今日は本当にありがとう!」
「ああ。俺も今日来れて良かった」

轟君も試験勉強は必要だったのかと思っていると、

「紫沫の色んなとこ、触れられたからな」

その一言で、やっぱり轟君には勉強は必要なかったのだと悟った。


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