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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


轟SIDE


「適当に座っててくれ。飲み物取ってくる」

そう言い残し、台所へ向かい適当に飲み物を準備して部屋に戻ると。
既に座卓の上には英語の問題集が開かれていた。

「早速なんだけど、この文章問題で躓いてて…」
「ああ、これか」

少し説明をするとすぐに理解したようで、問題の答えを書き始めた。
そこから暫くの間何を聞かれるわけでもなく時間が過ぎていき。
特にすることもかったので、なんとなしに問題集に視線を落とす横顔を眺めていると。
開けていた窓から流れ込んできた風が、雪水の髪をサラサラと揺らした。
その光景にあのよくわからない感情が湧き上がってくるのを感じ。
無意識の内に伸びていた手は、風に揺れる髪へと。
やはりそれはとても心地がよくて、何かが満たされていくようで。

「と、どろき、くん…?」
「お前の髪、気持ちいいな」
「…へ?」

思ったことが口をついて出てきてしまっていた。
その言葉に雪水が一瞬固まり、次の瞬間顔が真っ赤に染まる。

「どうした?なんか顔赤くねぇか?」
「えっ、あっ、な、なんでも…ない…」

途切れ途切れで何を言っているかよくわからなかったが、顔を俯かせてしまった。
それを見て無断で髪に触れていたことを思い出し、そっと指を離した。

「悪い、勝手に触っちまった」
「あ…うん…」

消え入りそうな声でそう答えるも顔は俯いたままで、一向に上がる気配はない。

「なんでかわかんねぇけど、雪水見てると触りたくなった。お前が嫌ならもうしねぇ」

人の嫌がることをする程落ちぶれてはいない。
それに、先程触れたことであのよくわからない感情はすでに治っている。

「あ、別に、嫌ってわけじゃ…ないんだけど…」

一瞬顔を上げたかと思えばまたすぐに俯いてしまった。
これ以上何を言っても無駄な気がして、今日の本題である勉強へと話題をすり替えることに。

「わかんねぇとこ、もうねぇのか?」

すると、ゆっくりとではあるが顔を上げ、また問題集へと視線を移したので、取り敢えずそちらに集中してもらうことにして。
その後は、たまに質問が来ては説明をするというのを繰り返し、気が付けば数時間が過ぎていた。



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