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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


幼馴染に言われた通り勉強を教えてもらおうとお願いしたら、何故か彼の家に行く事になってしまった。
確かに、どこでするとかなにも考えていなかったし、図書館だと声を出しにくいし、私の家に呼ぶのも勇気がいる。

(だからって、いきなりお家にお邪魔するのもなかなか勇気が…)

しかし、それ以外の選択肢が思いつかず、結局彼の言う提案にのるしかなかった。
そして、図らずも彼と連絡先を交換できたことに、少し浮かれてしまう。
メッセージが届く度にそれを見ては嬉しくなり、いざ返事をしようとすると緊張して何回も書いては消しを繰り返していた。
そうこうしている内に予定は決まり、お昼過ぎに彼のお家にお邪魔することに。
次の日、何を着て行こうか散々悩んだ挙句、肩口が少し広めの長袖にショートパンツタイプのサロペット、ニーハイという形に落ち着いた。
そして、現在私は彼の家の前にいる。

(お家すご…)

明らかに一般家庭の家とは思えない大きさの日本家屋が目の前に広がっていて。
ただでさえ緊張していると言うのに、目の前の建物がそれに拍車をかける。

(そっか、お父さんはNO.2ヒーローなんだから、裕福なお家だとしてもおかしくない…)

呼び鈴を鳴らす勇気が出てこず、着いた旨のメッセージを送ると。
少しして家の中から足音が聞こえ、玄関が開き、私服姿の彼が現れて。
至ってシンプルな服装なのに、初めて見るからなのかいつにも増してカッコよく見えて、思わず見惚れてしまっていた。

「雪水?」

声をかけられボーッとしていたことに気が付き、慌てて口を開く。

「こ、こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「ああ。迷わなかったか?」
「うん、大丈夫だったよ」
「そうか。部屋こっちだ」
「お邪魔します…」

ここにてきて、更に緊張が高まった。
元々誰かのお家にお邪魔することがあまりなかった上に、それが彼の家で今から向かうのは彼の部屋なのだ。
少しでも気をそらそうと何か別のことを考えることに。

(廊下広い…)


そんな語彙力の欠如した思考回路のまま彼に着いていくと、程なくして部屋の前に到着。
彼が引戸を開けると、そこは外観のイメージそのままに畳張りの部屋だった。



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