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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


「辛ェか…?」
「だい、じょぅぶ…」

私の中にある存在の主張を感じつつも、自分にも言い聞かせる意味も含めてそう言葉にした。
轟君がそれをどう受け取ってくれたかを察する程の余裕はなかったけど。

「紫沫、好きだ」
「…とどろきくん…好き…っ」

掛けられた言葉に同じ気持ちだと伝えたくて。
ぎこちなくもそう返した。
一瞬だけ細められた瞳はなんだかとても嬉しそう。
そのまま流れるように、触れるだけの口付けを何度も交わして。
まるで私を安心させるかの様なそれに、身体の強張りが溶けていく。
同時に轟君と一つになれたのだと。
なんとも言えない幸福感に包まれていくのを感じた。

「もっと、紫沫を感じてぇ」
「…ぅん」

その一言で中にあったソレが緩やかに動き出した。
少しだけ収まっていた身体の熱が動きと共に上がっていく。
再び襲い始めた刺激はさっきのとはまた違う感覚。
初めての事ばかりなのに、本能からなのか。
体はとても素直に反応を見せていた。
ピストンを繰り返していく内にぐちゅぐちゅと水音が聞こえ始め。
行為が激しくなっていくのを触覚と聴覚が捉えてしまう。
身体はその行為を快楽として覚え始め、口からは嬌声が溢れ出ていた。

「ぁ…んっ…ゃぁ…っ」

絶え間なく襲いくる快楽の最中、
轟君の揺れる紅白色の前髪の隙間からチラリと瞳が垣間見えて。
いつにも増して綺麗なオッドアイは私を捕らえて離さない。
身体の中も頭の中もぐちゃぐちゃに掻き乱されてしまいそうで。
このまま快楽の波に溺れてしまうんじゃないかと少しだけ怖くなって。
縋るようにして轟君の背中へと腕を回していた。
そんな私を知ってか知らずか。
互いの存在を確かめ合う様に唇を重ねられる。
まるでここにいるから大丈夫と言ってくれているみたい。

「んっ…ぅ…」

口付けが放れた瞬間に見えた轟君の表情がいつになく余裕無さ気で。
この行為に溺れているのは私だけではないのかもしれない。
そう感じた事で恐怖心は次第に薄れていった。


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