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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


紫沫SIDE


職場体験が明け、今日からまたいつもの学校生活が始まる。
教室の扉を開くと、皆が職場体験の話で盛り上がっていた。
轟君の席では緑谷君と飯田君と3人で話をしているみたいで、席に着く通りがけに挨拶を交わして、私は八百万さんに話しかけた。

「八百万さん、おはよ!」
「雪水さん、おはようございます」
「皆、職場体験の話題で持ちきりだね」
「ですわね。そう言えば、雪水さんはどちらの事務所に行かれてましたの?」

実は職場体験の行き先をクラスメイトには言ってなかった。

「えっと、エンデヴァーヒーロー事務所に」
「まぁ!それでは轟さんと一緒でしたのね?」
「うん。そうなる、かな」

体育祭での一件できっと何かしら気付いているのだろうけど、どのタイミングであの時の答えを言えばいいのかわからなくて、未だに私の口からは何も言えずにいる。
八百万さんと職場体験の話をしていると、扉付近から盛大な笑い声が聞こえてきた。

「アッハッハッハ、マジか!!マジか爆豪!!」
「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ。おい笑うな。ブッ殺すぞ」
「やってみろよ8:2(ハチニイ)坊やー!アッハハハハハハ」

何事かと気になりそちらに視線を向けると、髪型が見事な8:2分けになっている爆豪君がいて、私も思わず笑いそうになった処で、いつものツンツンヘアーに戻っていた。
距離が離れているからバレる事はないだろうけど、念の為笑いそうになったのを隠していると、職場体験の話題が轟君達に集まっているのに気付く。

「ま、一番変化というか大変だったのは…お前ら三人だな!」
「そうそうヒーロー殺し!!」
「命あって何よりだぜ。マジでさ」
「…心配しましたわ。雪水さんは大丈夫でしたの?」
「あ、私は別の場所にいたから。ヒーロー殺しとは遭遇してないんだ」
「あれ?雪水も近くにいたのか?」
「えっと、職場体験先がエンデヴァーの所で」
「え?マジで?なら、轟と一緒だったのか!」
「う、うん」

いっそ、これで轟君と仲良くなった事になれば話しかけやすくなるかななんて都合のいい事を考えていると、話題はヒーロー殺しへと戻っていた。

「エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「…そうだな。救けられた」
「うん」

少しだけ含みのある言い方はきっと私達しか気付かない。


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