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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


紫沫SIDE


お昼過ぎに病院を出て、ヒーロー殺しも無事に捕まり保須にもう用はないからと、もう一日入院する轟君より一足先に事務所に戻ってきた私はエンデヴァーに呼び出され、訓練場らしき部屋へとやってきた。

「来たな、小娘」

ヒーロー名を呼んでくれたのはあの一回きりで、それからはまたこの呼び方に戻ってしまっていた。

「あの、今から一体何を…」
「貴様の"個性"の件は聞いている。使ってみろ」
「え!?聞いているのであれば、まだ制御が出来ないのはご存知ですよね?相澤先生もいないのに、使うのは危ないかと…」
「ふん、この俺が小娘如きの"個性"に負けるとでも?」
「いえ、そういう事では…」
「つべこべ言わずにさっさと使ってこい」

この有無を言わさぬ威圧感はやっぱり苦手で、どうする事も出来ず、私は意を決して"個性"を発動したのだった。
それと同時にエンデヴァーもまた"個性"を発動させる。

「っく…やっぱり、まだ…」
「何だ、この程度か。期待外れだな」

今まで威力を弱める方の制御ばかり意識していた私は、その言葉にこれは制御の為の訓練ではないのかと疑問を抱いた。
それならば、いっそ、威力を強めることが出来るのかを試してみる事にする。

「ほう…多少ではあるが威力が上がったか」
「え…っ」

これには驚いた。暴走状態が最大だと思っていた"個性"はそうではなかったのだ。
しかも、自分の意思で少しではあるが上がったという事は、コントロールが出来たと言う事。
しかし、威力の強いままでいると案の定体温が下がり始め、そろそろ止めなければまた意識を失ってしまうと思った。
いつもは相澤先生が止めてくれていたから、"個性"で意識を失ったのはUSJの時が最後だ。
仮死状態にはならなかったものの、結果的に意識を失ってしまったという事は今回もそうなる可能性が高い。というか、過去の経験上、そうなるとしか思えなかった。

「やば…意識が…」
「何だ?もう終わりか?」

流石NO.2プロヒーロー。"個性"の相性もあるだろうけど、たかだか高校生の"個性"ではビクともしてない様だった。
何故かそれが悔しくて、このまま意識を失ってしまう前に一瞬でも鼻を明かしてやりたいと思ってしまう。
さっきの感覚を思い返しながら、私はまた威力を上げる事に集中したのだった。


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