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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


紫沫SIDE


「轟君、行って!私ならもう大丈夫!」

もう敵なんて怖くない。私は独りじゃない。
轟君には充分勇気をもらった。

「それに、NO.2ヒーローが一緒だから」
「…そうだな。無茶すんなよ」

そう言って、握っていた手を放されそのまま頭を一撫でされた。

「うん。轟くんも、無茶しないでね」
「ああ」

そして、轟君は目の前の事件現場とは逆方向へと足を向ける。

「どこ行くんだ、焦凍ォ!!!」
「江向通り4-2-10の細道。そっちが済むか手の空いたプロがいたら応援頼む。おまえならすぐ解決出来んだろ。友だちがピンチかもしれねえ。それと、紫沫の事頼んだぞ」

そうして、あっという間に姿は見えなくなってしまった。

「エンデヴァー、今の私に出来る事はありますか?指示をお願いします」

仮にもヒーロー科に通い職場体験に来ているのだ。
この状況で自分の出来る最善をしなくては、ここにいる意味がない。

「自分の立場をよく理解しているな。俺と共に現場に向かい、市民の避難誘導をしろ。必要とあれば"治癒"を施せ。いいな、スノークリスタル」
「はい!!」

初めて呼ばれたヒーロー名に改めて身の引き締まる思いがした。
今の私にも出来る事はある。そう言ってもらえた気がしたのだ。
すぐ様エンデヴァーと共に現場へと向かうと、敵が市民に襲いかかる寸前だった。
エンデヴァーの火がその敵目掛けて放たれる。
轟君と同じ炎だけど、私には全然違うものに思えた。

「ヒーロー殺しを狙っていたんだが…タイミングの悪い奴だ。存じ上げませんが、そこのご老人。俺に任せておけ」
「あ!あなたは!!マジ!?」
「何でここにー…」
「ヒーローだからさ」

その姿は正しくその通りだった。
以前見た威圧感とは違う、ヒーローとしての存在感を持ったエンデヴァーに、どこかお父さんの面影を感じてしまう。
姿形は全然似ていないのにそう思わされたのはきっと、一番身近にいたヒーローに抱いた憧れと同じものをエンデヴァーにも感じていたからかもしれない。

「虚仮脅しの低温とはいえ、意識を保ったままでいられるのは初めてだな」
「あんた気をつけろ。こいつは…」
「なる程。"吸収・放出"か。だが、ダメージ有りとは…ザコ"個性"じゃないか!」
「…!おかしいな…違うぞ轟、こいつ"個性"を複数持ってる!」


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