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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


紫沫SIDE


「後少しでモーニング始まる時間だけど、どうする?」
「あー、このまま行くか?」
「なら、私顔洗ってくる」
「俺も洗う」

なんだろう。この同棲してる朝みたいな感じは。
いや、そんなのした事ないから本当にこんな感じなのかはわからないけれど。
この状況を受け入れている自分がいて、寝起きの轟君を見れた事とかが少し嬉しいと思ってしまっている。
顔を洗い終えてからモーニングへと向かい、一番乗りだった私達は窓際の席に座って朝食を食べる事にした。

「今日もパトロールだよね?」
「ああ。意外と現れねぇもんだな」
「他の皆はどうしてるんだろう?」
「似た様なもんなんじゃねぇか?」

そんな会話をしながら朝食を終え、着替えの為にそれぞれの部屋へと戻る。
昨日とはまるで違う朝に自分が少し浮き足立っているのを感じながら、今日も今日とてエンデヴァーに連れられパトロールに出掛けた。
ヒーロー殺しの件がなければ保須は平和な街だと、ここ数日で感じる程何も起きないまま、今日も収穫無しかなと思っていた夕暮れ時だった。
少し離れた所で大爆発の音がし即座にそちらに振り向けば、そこは炎と煙が勢いよく立ち昇っていて、只事ではない様子が一目瞭然でわかり、息を飲んだ。
もしかしなくともこれは敵の仕業だ。
またしてもあの日の事がフラッシュバックし、足がすくんで動けなくなってしまうと思った瞬間、誰かが私の手を強く握った。

「大丈夫だ。俺がいるだろ」
「…うんっ」

その手はとても暖かくて無条件で私を安心させてくれる。

「焦凍!事件だ。ついてこい。ヒーローというものを見せてやる!」

その時、ポケットに入れていた携帯が震えた。

(こんな時に着信?)

このタイミングでの着信が気になり携帯を開くと緑谷君からのメッセージで、位置情報のみ。しかも一斉送信されたものだった。
という事はと隣に視線を向けると、やはり轟君にも来ていたみたいだ。

「ねぇ、これどういう事だろう?」
「意味なくこういうことする奴じゃねぇ」
「そうだよね」
「ケータイじゃない。俺を見ろ、焦凍ォ!!」

きっと、何か不測の事態が起きたんだと予感した。
でも、"個性"をマトモに使えない私は加勢になれない。


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