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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第2章 中学生編


紫沫SIDE


あの電話から時は流れ、体育祭が終わり、気が付けば期末考査の時期が迫っていた。
因みに、体育祭で彼は大活躍だった。
2年男子の棒倒しではあっという間に敵陣の棒を倒してしまったし、組み分けリレーでは見事1位。
言わずもがな、凄くカッコ良かった。
そんな彼と仲良くなれるように少し頑張ると決意はしたけれど、結果は朝と帰りに挨拶を交わすくらい。
まぁ、私が言うから返してくれているだけなのだろうけど。
それでもただ遠くから見つめていたあの時に比べれば大分進歩……している筈。
それよりも今は、目前にある期末の勉強を優先しなくてはならい。

「紫沫でも苦手なものってあるんだね」
「英語だけはどうしても苦手意識があるというか…あの先生の授業がわかりにくいというか…」
「確かにね。それはわかる気がする…そうだ!紅白頭君に教えて貰いなよ!」
「え?…いや、そんな、向こうも自分の勉強があるだろうから…」
「聞いてみるだけならいいんじゃない?何かないと話しかけるのも出来ないんでしょ?」

確かに何かきっかけがないと、挨拶以上の会話をすることが出来そうになかった。
けれど、勉強を口実にして良いのだろうか?

「迷惑にならないかな…」
「相変わらず紅白頭君のこととなるとなんでそうネガティブになるのか…聞いてみるだけなら別に迷惑にならないと思うよ。もしそうなら断ってくるだろうし」

確かに、一理ある。

「なら、今度聞いてみようかな…」
「そうしな!これを機に普段からも話せるくらいにはなってくるんだよ?」

ハードルが上がった気がする。

「う、うん…」
「なら、善は急げ!今日中に声かけること!」
「えっ!?いや、心の準備が!」
「そんなこと言って、その準備はいつできる?」
「うっ…」

返す言葉がなかった。

「噂をすれば!じゃぁ、私は自分の席に戻るね!」

お昼休みの間席を外していた彼が戻ってきたのに気付いた幼馴染は、その場を去っていった。

(いくらなんでも、こんなすぐには無理だよ!?)

取り敢えず今は目の前にある英語の問題に集中しようと、広げたまま手付かずになっている問題集へと意識を逸らした。


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