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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


轟SIDE


紫沫が部屋の中まで戻るのを見届けてから扉を閉め、その場にしゃがみ込んだ。
部屋の中に入れたのは事故みたいなもんで、手を出すつもりではなかったのに。
渡された自分のものから不意に漂った紫沫の匂いを嗅いでしまい、その上で頬を赤らめる姿を見たことで、少し熱を持ったそこに触れていた。
こちらにまでその熱が伝染してきて、軽く理性が飛んでしまった。
今まで抑えていた感情のせいか、以前よりも触れたいという衝動が強くなっていて、触れたところからもっと深くまで進みたいという欲望が目覚め、歯止めが効かなくなっている。
中学の頃には無かった欲求にどうすればいいのかわからず、上手くコントロールが出来なかった。
それに、まさかあんな言葉を口にして受け入れられるとは思っていなかった。
抵抗なりしてくれれば、まだ触れるだけの口付けで終わっていたかもしれないというのに。
あまりに従順に俺のされるがままだった事に欲望が膨れ上がる反面、これ以上は駄目だと何とか己を律して部屋に返した。

「危ねぇな…無防備過ぎるだろ…」

ジッとこちらを見つめていたあの顔は警戒心の欠片もなく、名前を呼ぶ事なくした口付けにもなんの抵抗もなかった。
だからもう少しくらいならと欲が出てしまったのだと勝手に言い訳をしている自分がいる。
もしこの先もあんな態度を取られたら、次こそは止めてやれる自信があまりない。
本能で紫沫という存在に触れることを求めているのだと、感じずにはいられなかった。
頭の中から先程のことが離れず、初めてした深い口付けを思い出して少し身体が熱くなるのを感じた。
それは戦闘の時に感じる興奮や高揚感に少し似ている気がする。

「このままじゃ寝れねぇ…」

一度頭と身体を冷やす為に部屋に備え付けられている風呂場へと向かった。
シャワーを頭から被り暫くそのままにしていると、徐々に気分が落ち着きを取り戻してくる。
明日もまたヒーロー殺しのパトロールをするのだからあまり遅くまで起きていて、いざという時に力を発揮出来なくては困ると思い、ベッドへと入った。
普段から早く寝る習慣がある為か、すぐに眠気は襲ってきて、それに抗う事なくそのまま目を閉じた。


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