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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第5章 原作編《ヒーロー情報学〜ヒーロー基礎学》


紫沫SIDE


「緑谷と何話してたんだ?」

教室に戻り席に着くと、轟君がこちらに振り向いて声をかけてきた。

「えっと…体育祭の時の事でね、お礼がしたくて」
「お礼?」
「うん。またこうやって、轟君とお喋り出来る様になったのは、緑谷君のお陰でもあるなって思ったから」
「…そうだな」
「そう言えば、轟君はどこのヒーロー事務所に行くのか決めた?」
「ああ…親父のとこに行こうと思ってる」
「え…」

と、ここでチャイムが鳴る。
いつもタイミングが良いのか悪いのかわからないけど、遮られる様にして鳴るチャイムのせいでそれ以上は聞くことが出来なかった。
まさか、エンデヴァーの所に行くことを考える様になっていたとは思いにもよらなかった。
その後は気にはなったものの、詳しく聞くことが出来ないまま、職場体験当日を迎える。

「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」
「はーい!!」
「伸ばすな。「はい」だ芦戸。くれぐれも失礼のないように!じゃあ行け」

相澤先生の言葉が終わると共に、それぞれが目的地へと向かう電車の方へと歩き出す。
私は轟君と同じ電車だ。

「…」
「轟君?」
「…ああ、何か用か?」
「私も同じだから、よろしくお願いします」
「同じって…まさか親父のとこなのか?」
「そう、そのまさか。私の事情の件でそこになったみたい」
「何考えてんだ、あいつは」
「私もわからないけど、向こうも受け入れてくれたみたいだから、行っても大丈夫…だと思う」
「親父が何言って来ようが気にすんな」
「うん…けど、折角だから、今度こそ私なりにエンデヴァーと向き合えたらって思うんだ」
「…そうか」

そうして私達はエンデヴァーヒーロー事務所の前までやってきた。
初めて見るそれは、よく見る事務所とは比べ物にならない位立派な建物…というかビルで中に入る前に少し腰が引けてしまう。

「流石NO.2…規模が凄いね…」
「中に入っちまえば大したことねェだろ。行くぞ」
「う、うん」

こちらも流石と言うべきか、全く動じる様子もなく、寧ろ堂々とビルの中へと足を進めていく背中を急いで追いかける。
受付の人がすぐにとある部屋に案内してくれて中に入ると、そこにはエンデヴァー本人が待ち構えていた。


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