第4章 原作編《体育祭》
紫沫SIDE
「さて、爆豪少年!!っと、こりゃあんまりだ。伏線回収見事だったな」
「オールマイトォ、こんな1番…何の価値もねぇんだよ。世間が認めても、俺(じぶん)が認めてなきゃゴミなんだよ!!」
「うむ!相対評価に晒され続けるこの世界で、不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。受けとっとけよ!"傷"として!忘れぬよう!」
「要らねっつってんだろが!」
オールマイトが爆豪君の口を覆っていたモノを外してあげると。
やはりと言うか、断固としてメダルを受け取る事を拒否していた。
しかし自由になったのは口だけの爆豪君は抵抗も虚しく、無理矢理メダルを渡されるのだった。
「さァ!!今回は彼らだった!!しかしみなさん、この場の誰にもここに立つ可能性はあった!!ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実に芽を伸ばしている!!てな感じで、最後に一言!!皆さんご唱和下さい!!せーの」
「プル…」
「プル」
「プルス…」
「おつかれさまでした!!」
「スウル」
「ウル…えっ!?」
「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!!」
「ああいや…疲れたろうなと思って…」
結局、最後の最後まで締まらない形で体育祭はこれにて終了となった。
私は見学で競技に参加する事はなかったけど。
とても長い様であっという間だった今日の出来事に、忘れられない1日となったのは言うまでもない。
その後、私達は体操服から制服へと着替え教室に戻った。
「おつかれっつうことで、明日、明後日は休校だ」
「!!」
「プロからの指名等をこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながら、しっかり休んでおけ」
この日は流石に"個性"の練習もなくて。
そのまま家へと帰ろうとした所で、ふとある人の事が思い浮かんだ。
(そう言えば、心操君にお疲れ様って言いたいと思ってたんだ)
クラスが違うからなかなかタイミングを見つけられなくて、言えないままだった。
HRが終わり、すぐに教室を出てC組の教室へと向かうと。
丁度こちらもHRが終わったところだったらしく、運良く教室から出てくる心操君を見つける事ができた。
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