第4章 原作編《体育祭》
紫沫SIDE
《さァいよいよラスト!!雄英1年の頂点がここで決まる!!決勝戦。轟対爆豪!!!今!!START!!》
開始直後、轟君の氷結が爆豪君を襲った。
《いきなりかましたかあ!!爆豪との接戦を嫌がったか!!早速優勝者決定か!?》
「一撃を狙いつつ…次を警戒した!」
爆豪君は氷結に囲まれ姿が見えなくなってしまったけど、先程から何か大きな音が中から聞こえてくる。
そして、氷結の中から爆発と共に爆豪君が姿を現した。
「爆発で氷結を防いでモグラみてえに掘り進めたのか」
「んなケッタイな!!」
再び氷結を放つも、爆豪君はそれを爆破で上空に避けそのまま轟君に掴みかかり投げ飛ばした。
「右側(こおり)を避けて掴んだ!すごい…!」
「ナメ…ってんのか。バァアアカ!!」
《氷壁で場外アウトを回避ーー!!!楽しそう!!》
直ぐ様、轟君の左手目掛けて爆豪君の右手が伸びてきたのを掴み、そのまま投げ飛ばした。
「ーー…俺じゃあ力不足かよ」
《左側をわざわざ掴んだり、爆発のタイミングだったり…研究してるよ。戦う度センスが光ってくなアイツは》
《ホゥホゥ》
《轟も動きは良いんだが…攻撃が単純だ。緑谷戦以降どこか、調子が崩れてるなァ…》
相澤先生の解説に私も同調した。
氷結ばかりで炎を使う様子はない。
「てめぇ、虚仮にすんのも大概にしろよ!ブッ殺すぞ!!!俺が取んのは完膚なきまでの一位なんだよ!舐めプのクソカスに勝っても取れねんだよ!デクより上に行かねえと意味ねえんだよ!!勝つつもりもねえなら俺の前に立つな!!!何でここに立っとんだ、クソが!!!」
そう言って、また爆豪君は轟君に襲いかかっていく。
それを迎え撃つ轟君の表情はなんだか迷っている様に見えて、その場から動こうとしない。
そんな時だった、
「負けるな、頑張れ!!!」
緑谷君の声が会場に響き渡る。
その瞬間、轟君が左に炎を纏った姿を見た。
もう涙が溢れる事はない。
(また、緑谷君の言葉が轟君の心を動かした…)
その炎を見た爆豪君は更に勢いをつけて襲いかかっていく。
しかし、何があったのか、轟君はすぐに炎を消してしまった。
《麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加え、まさに人間手榴弾!!轟は緑谷戦での超爆風を撃たなかったようだが。果たして…》
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