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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


轟SIDE


「常闇くん降参!爆豪くんの勝利!!」
《よって決勝は、轟対爆豪に決定だあ!!!》

1-Aの観客席からは少し離れた場所に立ってそれを見ていた俺は、次の対戦相手がわかり、控え室へと向かった。
途中、緑谷戦の直後に親父と交わした言葉を思い出す。

〈邪魔だ。とは言わんのか。炎熱(ひだり)の操作…ベタ踏みでまだまだ危なっかしいもんだが、子供じみた駄々を捨ててようやくお前は完璧な"俺の上位互換"となった!卒業後は俺の元へ来い!!俺が覇道を歩ませてやる!〉
〈捨てられるわけねえだろう。そんな簡単に覆るわけねえよ。ただ、あの時、あの一瞬は、お前を忘れた。それが良いのか悪ィのか、正しいことなのか…少し…考える〉

決して親父の事を赦せた訳じゃない。
けれど、自分の中にあった左の"個性"を使わないと言う誓約を破る事さえ厭わない程勝ちたいと、あの時は確かにそう思った。
親父の"個性"じゃなくて、俺の"個性"なんだと…
けれど、どうしても炎を使う事に躊躇いが生じて、飯田戦でも結局氷結のみで勝利した。
まだ、吹っ切れてない部分があるからなのかと考えを巡らせていると控え室についていた。
椅子に座ってぼんやりと机に視線を落とし、今度は緑谷の言葉を思い出す。

〈君の力じゃないか!!〉

俺にキッカケをくれた一言。

(緑谷(あいつ)と戦うまで"考える"なんて…考えもしなかった。お母さん、俺は…)

いきなり扉が勢いよく開いたことで、顔をそちらへと向ける。

「!」
「あ?ーーあれ!?何でてめェがここに…控え室…あ、ここ2の方かクソが!!」

開けたのが爆豪だとわかり、また視線を机へと戻した。

「部屋間違えたのは俺だけどよ…決勝相手にその態度はオイオイオイ…どこ見てんだよ、半分野郎が!!」

何か気に障ったのか、手元に爆発を起こしながら中に入ってきた。
そういえば、同じような事を言われた気がする。


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