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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE


「見てから動いてる…!?」
「あの反応速度なら煙幕はもう関係ねぇな」
「触れなきゃ発動出来ねぇ麗日の"個性"。あの反射神経にはちょっと部が悪いぞ…」
(でも、お茶子ちゃんは勝つつもりであそこに立ってる…)
《麗日間髪いれず再突進!!》
「おっせえ!」
「おらあああああ!!!」
「お茶子ちゃん…!」
「爆豪まさかあいつそっち系の…」
「まだまだぁ!!」
《休むことなく突撃を続けるが…これは…》

何度も爆破で吹き飛ばされながらも立ち向かっていくお茶子ちゃんの姿に、私は知らず知らずの内に力が入り、拳を握りしめていた。

「…あの変わり身が通じなくて、ヤケ起こしてる」
「アホだね…あいつ」
「なァ止めなくていいのか?大分クソだぞ…」
「見てらんねぇ…!!おい!!それでもヒーロー志望かよ!そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ!!女の子いたぶって遊んでんじゃねーよ!!」
「そーだ、そーだ」

周りの観客席から声が聞こえてきた。
確かに実力差があると私も思っていた。でもそうじゃないんだよ。
それに、爆豪君は暴力を振るうだけの怖い人じゃないのもこの時の私は知っていた。

《一部から…ブーイングが!しかし正直俺もそう思…わあ肘っ、何SOON…》
《今、遊んでるっつったのプロか?何年目だ?シラフで言ってんならもう見る意味ねぇから帰れ。帰って転職サイトでも見てろ》
「相澤先生…!?」
《ここまで上がってきた相手の力を認めてるから警戒してるんだろう。本機で勝とうとしてるからこそ、手加減も油断も出来ねえんだろが》

その言葉にやっぱり相澤先生は生徒のことをしっかり見てくれている人なんだと改めて思った。

「そろそろ…か…な…ありがとう爆豪くん…油断してくれなくて」
「あ…?」
「爆豪の距離ならともかく…客席にいながら気付かずブーイングしたプロは恥ずかしいね。低姿勢での突進で爆豪の打点を下に集中させ続け…武器を蓄えてた。そして絶え間ない突進と爆煙で視野を狭め、悟らせなかった」

隣のB組の席から聞こえてきた声に今までステージしか見ていなかった視線を上空へと向けると、浮遊している無数の瓦礫が目に入る。

「勝あアアァつ!!」

そう叫んで、お茶子ちゃんは両手を合わせた。


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