第4章 原作編《体育祭》
紫沫SIDE
轟君の氷で水浸しになったステージを乾かす為、次の試合まで暫く時間が空いた。
さっきの試合に集中していたせいか、緑谷君が席に戻ってきたことに気付いていなかった。
「…あれ?緑谷君いつの間に戻ってきてた?」
「あ、雪水さん。さっきの試合開始と同時くらいだよ」
「ごめん。気付かなくて…そうだ!二回戦進出おめでとう!」
「あっ、ありがとう!」
「雪水さん、先ほどの試合とても集中してしていらっしゃいましたわね」
「あっ、うん…そうみたい」
「やっぱり同じ中学出身やと他の人より気になるんかな?」
「そ、そうだね…凄く、気になった…」
あながち間違ってはいないけど…それだけではなく…なんてことは口には出さなかった。
《ステージを渇かして次の対決!!B組からの刺客!!キレイなアレにはトゲがある!?塩崎茨!対(バーサス)スパーキングキリングボーイ!上鳴電気!!》
漸く乾いたステージで三戦目が始まろうとしていた。
B組の人がプレゼントマイクの表現が気になったみたいだったけど、すぐに試合は始まった。
《すっSTART!!》
「体育祭(コレ)終わったら飯とかどうよ?おれでよけりゃ慰めるよ」
「…?」
「多分この勝負一瞬で終わっから」
上鳴君は良くお茶とかご飯に誘ってくる。
多分きっと挨拶みたいなものなんだと思ったところで、試合が終わっていた。
《瞬殺!!あえてもう一度言おう!瞬・殺!!!》
「ウエイ…」
「二回戦進出塩崎さん!」
「ああ…与えられたチャンス無駄にせずに済みました…」
終わってすぐに緑谷君が何かブツブツ言ってたのが少し怖かった。
《さァーーどんどん行くぞ。頂点目指して突っ走れ!!ザ・中堅って感じ!?ヒーロー科、飯田天哉!対(バーサス)サポートアイテムでフル装備!!サポート科、発目明!!》
そして、飯田君とサポート科の発目さんの試合。結果的に言うと、飯田君の勝利だった。
ただ、試合というよりかは発目さんのベイビーを売り込む為のデモンストレーションを見てるみたいで、ある意味凄かった。
それが終わるとお茶子ちゃんは立ち上がり、
「っし…そろそろ控え室行ってくるね」
「お茶子ちゃん、応援してるね!ファイト!」
「紫沫ちゃん、ありがと!」
試合の準備の為、控え室へと向かって行った。
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