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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE

緑谷くんが負けると思ったその時だった、左手側で爆発が起きたかと思うと、心操君の"個性"が解けていた。

「っ……!!!ハア!ハア…!」
《ーーこれは…緑谷とどまったああ!!?》
「何で…体の自由はきかないハズだ。何したんだ!……!!なんとか言えよ」

心操君はもう一度"個性"を使うけど、緑谷君がもう応える様子はなかった。
緑谷君は心操君目掛けて駆け出し掴みかかるも顔面を殴られる。
その後も互いに場外へ出そうと取っ組み合いをしていた。
もうこれは"個性"なんて関係ない。

「ーー…」
「〜〜…!指動かすだけでそんな威力か。うらやましいよ。俺はこんな"個性"のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間にはわかんないだろ。誂え向きの"個性"に生まれて、臨む場所へ行ける奴らにはよ!!ーーなんか言えよ!」
「ぁああ!!」
「押し出す気か?フザけたことを…!ーーおまえが出ろよ!!」
「んぬあああああ」

押し問答が続いた末に、緑谷君が心操君の腕を掴み背負い投げた。
心操君はそのまま床へと叩き落とされ、その床の上はラインの向こう側。

「心操くん場外!!緑谷くん二回戦進出!!」
《二回戦進出!!緑谷出久ーー!!》

緑谷君が勝利したのだった。

《IYAHA!緒戦にしちゃ地味な戦いだったが!!とりあえず両者の健闘を称えてクラップユアハンズ!!》
「…心操くんは何でヒーローに…」
「憧れちまったもんは仕方ないだろ」
「…!!」
(心操君はあんなにヒーローになりたくてもヒーロー科には入れなかった…私は…)

事情があるとは言え、ヒーローになりたいと思ってここにいるのではない自分が申し訳なくて、次心操君に会ったらどんな顔をすれば良いのかわからなかった。

「…結果によっちゃヒーロー科編入も検討してもらえる。覚えとけよ?今回は駄目だったとしても…絶対に諦めない。ヒーロー科入って資格取得して…絶対おまえらより立派にヒーローにやってやる」

いや、申し訳ないなんて、それこそ心操君に失礼かもしれない。
それに、心操君は既ににゃんこのヒーロー君だもんね。

「ーーうん」
「フツー構えるんだけどな。俺と話す人は…そんなんじゃ、すぐ足を掬われるぞ?せめて…みっともない負け方はしないでくれ」
「っうん…ぁ…」
「…」

こうして、一戦目は幕を閉じた。


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