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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE


お昼を皆と食べようと競技場へと向かっていると、前方に誰かいるのが見えた。

「あれは…爆豪君…?」

こちらに気付いた瞬間何故か睨まれ、不用意に近づいてしまったからなのか、いきなり手で口を塞がれそれ以上進めないように止められる。
何事かと思っていると、誰かの話し声がするのがわかった。

「気圧された。自分(てめえ)の誓約を破っちまう程によ。飯田も上鳴も八百万も常闇も麗日も…感じてなかった。最後の場面、あの場で俺だけが気圧された。本気のオールマイトを身近で体験した俺だけ」
(この声って…轟君…?誰かと喋ってる…?)
「……それ。つまり…どういう…」

そして次に聞こえてきたのは緑谷君の声だった。
そこで漸く制止させられた意味を理解して、それをわかってくれたのか爆豪君は手を放してくれた。

「おまえに同様の何かを感じたってことだ。なァ…オールマイトの隠し子か何かか?」
「違うよ、それは…って言っても、もし本当にそれ…隠し子だったら違うって言うに決まってるから納得しないと思うけどとにかくそんなんじゃなくて…そもそも、その…逆に聞くけど…何で僕なんかにそんな…」

一体何の話をしているのか、今の会話の内容ではよくわからない。
というか、オールマイトに隠し子がいるという発想は轟君らしいと少し思ってしまった。

「…「そんなんじゃなくて」って言い方は少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな。俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ」
「!」
「万年No.2のヒーローだ。おまえがNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は…尚更勝たなきゃいけねぇ。親父は極めて上昇志向の強い奴だ。ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが…それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい。自分ではオールマイトを超えられねぇ親父は、次の策に出た」
「何の話だよ、轟くん…僕に…何を言いたいんだ…」

少しだけ、嫌な予感がした。

「個性婚。知ってるよな」
(ああ、やっぱり…)

ここに来て、轟君が何を話そうとしているのか理解してしまう。
それは、過去に私に話してくれたソレと全く同じ切り出し方だったから。


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