• テキストサイズ

【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第4章 原作編《体育祭》


紫沫SIDE


いよいよ体育祭本番当日。
1-Aは控え室にて本番が始まるのを待っていた。

「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期す為に着用不可なんだよ」

見学とは言え入場の時は参加するよう言われ、皆と同じく控え室で八百万さんの隣の椅子に座り待機していると。

「緑谷」

緑谷君の名前を呼ぶ焦凍君の声が聞こえて、私の耳はそちらへと意識を取られた。

「轟くん…何?」
「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
「へ!?うっ、うん…」
「おまえオールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが…おまえに勝つぞ」

そんな関係があるなんて全然気付かなかった。
そう言われると緑谷君の"個性"がオールマイトに似ている気がして、だからなのか。
もしそれで緑谷君がNo.1に目をかけられているなら、轟君が気にならないわけがない。

「おお!?クラス最強が宣戦布告!!?」
「急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって…」
「仲良しごっこじゃねえんだ。何だって良いだろ」
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのか…は、わからないけど…そりゃ君の方が上だよ…実力なんて大半の人に敵わないと思う…客観的に見ても…」
「緑谷もそーゆーネガティブな事言わねぇ方が…」
「でも…!!皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で獲りに行く!」
「……おお」

きっと轟君の中で今日の体育祭は特別な意味を持っているのかもと。
チラッと盗み見た表情はかつて中学の時に見覚えのある顔付きで、それはあまり良い意味を持ってはいないけど、そう感じるには充分だった。
2人の交わした言葉から、緑谷君だってきっと何かしら思うことがあるんだろうなということが伝わってくる。
私は未だに"個性"の制御が出来なくてここにいるだけで、想いは違えど皆が目標を目指してこの場にいることが少し遠い存在に感じた。と同時に、憧れも抱いていた。
ここで過ごした時間は決して多くはないけれど、ヒーローになる為に日々頑張る皆の姿を直接見て、肌で感じて。
少なからず影響を受け始めていると、心のどこかで感じている。
入場の時間になり、それぞれに想いを抱きながら。
私達は体育祭のステージへと向かった。


.
/ 456ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp