第1章 宵闇マリーゴールド【2部 シーザー】
初めて君を見たその時から、どうしようもなく惹かれていたさ。
波紋法を学ぶため訪れたヴェネチア。師であるリサリサの元で、おれ達は出会った。
この時 君…チヒロは既に先生に師事して久しく、優秀な波紋戦士だったな。
修行中、手合わせで見せた華麗な立ち回りにはついぼうっとなったよ。
おれと年は同じ筈なんだが、君はしっかり者で落ち着きがあって……そうだ、特にスージーQとは真逆って感じだ。でも随分と仲がいいんだよな。
初めこそ物静かな印象だったが、共に修行するにつれて親しくなると、次第に表情が柔らかくなっていった。
他愛もない話の中でこぼれる笑顔は花みたいに愛らしい。
君のその顔が見たくて、そりゃあ色んな手を使ったぜ?おれは。
あれからどのくらい経ったろう。
今もずっと、おれの想いは変わらないままだ。
チヒロ、君だってそうだろう?