第9章 真実の信頼
そんな会話の途中で莉緒はその場から居なくなっていた。
「まさか…バレてる?そうじゃないよね…」
そう独り言のように呟きながら……
『よぉし♪桃のとこいこ♪』
レンはそう言いながら体を伸ばした。
「レン…それはあかんやろ…。」
『ええの。あたしが行かんで誰が行くんや?確実に落ち込んでるやろうし…』
レンはそう言うと…瞬歩で何処かに行ってしまった。
「はぁ…。あの子…ボクらの悪いとこばっか似てしもた…。」
レンの去った後…そう嘆くギンがいた…
『桃。何シケた顔してはるん?』
「……。」
『気にせんでええって♪死んだんやったら…そんな顔してもええけど…あたしは生きとるし♪それに、ギンが藍染さんに刺されたってことにしてくれるやろうし。』
いつもと変わらない…
レン。
「なんで?なんで普通にしてられるの!!だって…あたしは…レンちゃんを殺そうとしたんだよ!!」
雛森は涙目になりながら言った。
『藍染さんがなんか言うたんやろ?あたしに殺されるから…とか…』
「……」
『その様子やと…図星みたいやなぁ?あたしがしようとしてんのは…アイツの記憶を消す事や。』
「藍染隊長の…記憶?」
『そうや。破面の事…死神達を裏切り…虚圏へ行った事、それに関わる記憶をな♪そんで…桃のとこに返したる…』
レンはそう言って…雛森に微笑んだ。
「レンちゃん…そんな事したら…レンちゃんが…!!」
『そうやねぇ?罪になるやろなぁ…でも…それでええんや。隊長は…隊員達…一人一人の幸せと命を守らなあかん…隊長って…そういうもんや。まぁ…あたしの勝手な考えやけどな♪』
「レンちゃん…あたしは…副隊長だよ?隊長の幸せと命を守りたい。だから…無茶しないで?」
『無茶なんかしてへんって♪大丈夫や♪桃は心配しすぎやって♪』
「レンちゃんは…優しいよ…あたしは裏切り者なのに…」
『あたしかて…元はそうやし…あっちについとった。』
「あたしね…聞こえてたんだ…藍染隊長があたしを利用したって言ったの…」
『桃はどないするつもりなん?もし…あっちに行くんやったら…行ってもええよ~?』