第8章 愛する者の代わり
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藍染達との戦いの日が近付いている…
その話が瀞霊挺内全体に伝わり…
それぞれの隊では…
決戦に向けて…
修行に励んでいた…
【五番隊隊舎】
『桃…帰ってええよ…』
朝…出勤して来た雛森にレンはこう言い放った。
「え?どうして?」
『気付いとる筈やないの?具合悪いんやろ?顔色悪いやないの…はよ…帰り…』
「うん…」
雛森は…哀しそうに隊舎から出て行った。
「隊長!!あんな言い方ないでしょ!!」
一人の女性死神がレンに抗議した。
『はぁ…あたしは…あの人には…藍染惣右介には勝てへんのやろなぁ…』
「隊長?」
さっきまで怒りに満ちていた女性死神だったが…レンが哀しそうな顔をしながら…言った為…怒りも覚めたようだ。
『桃とはなぁ…長い付き合いなんや…統学院時代から…ずっとや。あの子の為にしてあげられる事なんて何にもないんや…そんな自分にも…腹が立つ…何にも言うてくれへん桃にも腹が立つ…』
「隊長…隊長は優しいよ…雛森副隊長にいろんな事してあげてるよ?」
『どんな?』
「前に…雛森副隊長が…言ってました。《レンちゃんには…たくさん楽しませて貰ってる…絶対…弱音を吐いたりしないし…あたし…レンちゃんみたいになりたい》って…隊長は雛森副隊長の目標なんだよ?そんな隊長が弱音吐いてどうすんの?」
『弱音を吐かんのは…強いからやない…弱い自分を強くする為や…ってギンが昔…言うとった。』
「市丸隊長が?」
『そうや。ギンはな…季南が亡うなってしもて…辛いのに…いつも飄々としててな…弱音なんか吐かんかったんや。それで…なんでか聞いたら…さっきの事を言うたんや。最近…桃はな…四番隊に通っとるんや…』
「えっ?雛森副隊長…どこか悪いの!?」
『どこも…悪くないんや。』