第21章 不安定な気持ち
「そんなん言われたんか…」
「はい…俺…どうしたらいいんすかね?」
次の日…恋次は昼休みにギンに昨日の話をしていた。
「季南も同じこと言われたみたいやからなぁ…ボクらに出来ることと言ったら支えてあげることしか出来んやろな。」
ギンは眉を八の字にして言った。
「でも、俺…そう言われた時…一瞬、思っちゃったんっすよね…レンが楽になれるなら…俺のこと…忘れてくれた方がいいんじゃないかって…」
「阿散井君……レンがな?前に言うとったんや。自分にとって辛い過去も今の自分には必要なもんやから忘れたないって。阿散井君への想いやってそうやと思う。最初は嫌がってた霊術院に通うことやって…イヅルと仲良うなって…阿散井君のこと…好きになって…死神になるんが嫌やって言っとった子が楽しそうに笑うようになってボクは阿散井君にも、イヅルにも…雛森ちゃんにも…みんなに感謝しとるんやで?ボク…レンが小さい頃、しっかり甘えさせてやらんかったから…あの子…甘えたくてしゃーないんやろな…ボクにも阿散井君にも…」
「レン…強がりですからねぇ…本当は誰よりも弱いのに…なんで…そんな奴が十一番隊隊長になんて志願したんっすかねぇ…」
『完全に勢いやな。』
「レン……また、抜け出したんやな?」
ギンがレンに呆れたように言った。
レンは悲しそうな顔でうなづいた。
レンの入院中の脱走は今に始まったことではないので恋次も溜息をついた。