第16章 新しい物語の始まり
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「レン…目覚ませよ…戦いが終わったら…答えを聞かせてくれるんだろ?」
レンの手を握り…恋次が震えた声でひたすらレンに話しかけている。
意識のないレンは答えないが…
恋次は暇を見つけると…必ずと言っていいほど…
レンの病室を訪ねているのである。
ギンも知ってか知らずか…恋次がいる時は…
《面会謝絶》
という札を下げてみたり、結界を張ってみたりと…
二人きりにさせてやっているらしい。
そんな…日常が続いて…一ヶ月が経った。
レンの意識はまだ戻っていない。
「恋次…レン隊長の意識はまだ戻らないのか?」
「あぁ…昨日から乙姫から…霊圧が消えかかってやがる…」
恋次は震えた声で言った。
「なんだとっ!?」
ルキアは驚いたように声を張り上げた。
持ち主の意識のない状態で斬魄刀から霊圧が消えかかること…
それは…持ち主の命が消えかかっているということ…
「なにが…絶対に死なないだよっ!!だったら…目を覚ませよっ!!」
シーンッと静まりかえる森の中に恋次の悲痛な声だけが響いた。
ルキアは何も言うことが出来なかった。
言葉が見つからない…
励ましたところで…
意味はないことを理解していた。
ルキアもレンの霊圧が感じるのがやっとなくらいだから…