第2章 Dolce【ミスタ】
「グイード・ミスタだ。昨日試験に合格した。今日からオレ達のチームに入る」
ブチャラティはそう言って、少し振り返ってオレを見た。
「どーも…これからよろしく」
とりあえず当たり障りの無い挨拶を口にする。
こういう堅苦しいのは苦手なんだよなァ。
「素晴らしい銃の腕前の持ち主だ。きっと心強い戦力になるだろう」
話しながら席に着き、オレにも隣の椅子を勧める仕草は実にスマートで手慣れたもんだ。
このリストランテで、オレはこの男が率いる"チーム"に迎え入れられることになった。
「へえ…拳銃使いってわけか」
「ならよォーッ、スタンドも"銃に関する能力"なのか?試験受けたってことはさぁ、お前も持ってるんだろ?スタンド能力!」
長髪のヤツの探るような視線とは対照的に、好奇心いっぱい…てな感じで隣の黒髪が尋ねる。
スタンド能力……あまり言いふらすもんじゃあねえとは聞いてるが、オレが何でか拳銃の扱いに長けてるってのはブチャラティが言うまでもなく、新聞にまで出ちまってる事実だ。
今更隠してもしょうがねえ。
だからさっさと白状することにした。
「ああ、まあな。なんせ昨日の今日なんで、まだ詳しくは分からねえが…」
ブチャラティに言われるがまま刑務所のポルポに会いに行って、エラい目に遭ったのが昨晩のことだ。
ま、苦労しただけの見返りはあったけどよ。
「アバッキオ、ナランチャ。そんな質問する前に、まずは名前くらい名乗ったらどうです?」
今度は神経質そうな目つきの少年が、はあ、とため息をつく。