第2章 炊き込みご飯
「……」
「お、紅郎ちんのお弁当今日は可愛いな」
「今日は、妹が遠足だったからな」
昼休みに弁当を開けると、俺の方にもクマのおにぎりがあった。しかも2頭いた。ちなみに2段弁当なのだが、上におかず、下がおにぎりだった。上のおかずはポテトサラダ、卵焼き、ウィンナー、ポテトサラダ、ミニトマト、唐揚げがぎっしり入っていた。が、卵焼きは花の形になるように入れられてた。
「だからこんなに気合入ったんだな」
「まあ、詰め込んだのは俺じゃないけどな」
「誰が詰めたんだ?」
「幼馴染」
「え、まさか斎宮か?」
「もう一人いんだよ。そっちは家も近所でよく一緒に飯食ってるから手伝ってくれてな」
そういや、アイドル科で水瀬が幼馴染ってこと知ってんのって斎宮と守沢と鉄くらいだったな。
「くっしゅっ」
「あやちゃん、大丈夫?」
「風邪?」
「大丈夫だよ、噂でもされたのかな?」
あんま知られるとライバル増えるから困るけどな。
「ただいま」
「おかえり! 兄貴! 弁当すげーかわいかった!」
「そうか、なら作った甲斐があった」
家に帰ると満面の笑みで妹が出迎えてくれたのは言うまでもない。