第7章 ~徳川家康~ end.
信長様は身構えた私を見て、ふんと鼻で笑うと
「なに、貴様には容易い事だ」
「……はぁ」
エッチした後のお願いごとってどーよ……おまけに、信長様からの頼み事なんて……
どうせ断れないんだよね……思わずため息のような声が漏れた。
「家康だ。彼奴を男にしてやってくれ。彼奴は、幼い頃の不遇のせいで、“少し”ひねくれてしまってな……」
「“少し”……ですか?」
「ははっ!少しではないな、貴様のその明け透けな物言いも俺は気に入っている」
「どうも……」
褒めてないよね???ま、いっか。
「手放すには惜しいがな……彼奴の為になるはずだ、貴様の存在は」
そう言うと、もう一度私の身体に手を這わせる信長。
「では、最後の夜ですね」
「貴様が望むなら……」
「いえ、私はこうみえてなかなか一途なんですよ」
「ははっ、そうか!流石、俺の見込んだ女子(おなご)だ」
そう言ってまた身体を重ねる。
好きでもない男に抱かれて、イクことができるなんて、なかなかない。
そう、信長様は女の身体をよく解っているんだろう。
すごく上手く私を絶頂に導いてくれる。
惜しいのは、私の方だよ。信長様……
でもね、いつの時代でもそう。
あっちも、こっちも、なんてことをしたら必ず痛い目に合う。
だから信長様が、私の相手は“家康”と決めたのなら、私はそれに従うだけ。
二人がどうなろうとも、きっと信長様なら、最期の最後まで私を大切にしてくれる。
そう、それだけ信頼のおける男なんだ。
信長様は。
だからきっと上手くいく。
家康と。