第1章 プロローグ~共通ルート~
だけど私に本当に選ぶ権利があるんだろうか?
相手を選ぶときっと避けては通れないだろう、所謂“セックス”。
私にとって“セックス”は、はっきり言って、
苦痛だ。
頑張って働いたからか、その弊害なのか……
プライベートで抱かれたいと思った事がない。おまけに
不感症になってしまった。
それまでは、敏感とまではいかないものの、普通に感じてた。
挿れられれば気持ち良かったし、奥を突かれると声も出た。
だけどいつのまにか……
全てが演技になっていた。
泡姫をしていた時、初めて会うお客様にも彼女のような接し方をするところから始まる。
テキトーにサッと流す泡姫も多い。
だってお客様の本当の目的は、挿れて出すことなんだから。
でも私は違った。
彼女っぽい雰囲気を作り、その流れでうがいをすすめたり、身体を洗ったりしてあげる。
わざわざ高いお金を払って来てくれるんだから、偽物でも『愛』のある演技をした。
私がNo.1になれた理由は
弄られて、感じる演技
挿れられて、気持ちイイ演技
突かれて、イク演技
間違いなく『演技力』だ。
でも、そんなことを繰り返しているうちに、私は心も身体も不感症になっていたのだ。
だけど心の方は、この時代に来て意外と早く治った。
まあ、先にカルチャーショックの方が大きかった事も多分にあるんだけどね。
それでも皆が親切にしてくれるのは、正直心地いい。
だからずっと一人だけを選ぶなんてことが出来なかった。
でも、この時代にいるのなら……
私の気持ちは“彼”に……
共通ルート 終
分岐ルートへ続く