蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第630章 追憶のキミ2-23
-現在-
智「また記憶が足されたな。なんか五人で同じ記憶が共有された時に、修復される感じ?」
智さん……
和也「ですね。代々子孫達が語り継いで来た『記憶』の他に『正式な記録』として残された、櫻井家の一代記?とか、家臣達の子孫の残した記録って言うの?が少し違うからじゃないですかね?」
和也さん……
潤「確かに……前の時も、両親の話と俺の記憶に少しのズレがあったからな」
潤さん……
雅紀「前の時はさ、少し難し過ぎて記憶を繋ぎ合わせるのに苦労したけど……今回は……400年前に奥方が言われた『養子をもらいましょう』の言葉が凄い、府に落ちたの。奥方は心紀様と倫との関係を理解した上で嫁いで来てくれて……」
瞳に涙を浮かべ言葉を紡げなくなった雅紀……
翔「奥方様は、翔若にも相談してくれる方だったの思い出した。櫻の方の侍女から選ばれたお相手で。想う方も様や、翔若にも誠実に仕えてくれて『子供を授かった時には、雅紀様の家臣として育てます』そうおっしゃられた方だったんだ」
潤「お相手の方と一年間子供が授からなくて……櫻井家の事を考えて『養子をもらいましょう』と。潤の立場もおもんばかってくれるお方で」
智「殿様が、翔君と雅紀様のお従兄様に跡を継ぐ事を正式にお願いしたんだよね」
和也「新しい櫻井家の当主と、その奥方様の子供が本家筋として、今も続く櫻井家の始まりとなったんですね」