蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第468章 コンプレックス 2 母と息子の絆
翔歌side
翔の実家 マンション
翔歌「翔ちゃん…素晴らしい演奏だったわ」
聴く人みんな涙してたのよ。翔ちゃん、私の息子なの!って自慢したかったわ
けど、翔ちゃんは目立つ事は余り得意じゃないものね
翔「お母さん、オムライス美味しい!」
翔歌「素晴らしい演奏会のお祝いしたかったのに…本当にオムライスだけで良かったの?」
翔「うん。今一番食べたい物って言ったじゃない。カボチャスープも美味しいよ」
もう、翔ちゃんたら、 本当欲のない子ね
翔歌「でも、翔ちゃん。人前で演奏するとか、自分の意見を少しずつ言える様になったり変わったわよね」
翔「ありがとう。お母さん。お母さんのおかげだよ。僕を決して否定せずにいつも『凄いね』って。 僕を認めてくれたからだよ」
翔ちゃんこそ…
翔side
翔歌「翔ちゃんこそ、いつも私に感謝を沢山伝えてくれるじゃない…」
そう言うと、泣いちゃったお母さん
翔「お母さん。あの…」
何と声かけたら良いのかって迷っていたら
翔歌「翔ちゃん」
翔「へ?」
不意に呼ばれて
翔歌「今日の翔ちゃんの演奏。他の子達のも。 希望者には CD に焼いて下さるんですって。もちろん私は頂いたの。で、翔ちゃんが許してくれるなら… あの人にも渡したいんだけれども良いかしら?」
あの人…父に?
特に断る理由もなくて良いよ。って 言ったんだ
会社経営や、人間関係に躓いた父。苦しさからアルコールに逃げて身体を壊した
アルコール中毒を治療する施設に暮らしながら、 職業訓練で建築現場に実習に行き、 建築の仕事に興味を持った父
短時間の仕事から。新たな 人生を歩み始めた父
どうやら母は、父と逢っているらしい。少しずつ動き出した父を 支える事にしたんだね?
後日
「翔ありがとう すばらしかった」
と 父からの手紙が届いたんだ
翔「そんなに喜んでくれたのなら、曲が出来たらあの人に聞い貰おうかな?」
そう言うと母の瞳には光るものが見えて
話変わるけど
(メールが来てる)
カズくんと智さん、 二人からそれぞれ
〈明日 3人で逢いましょうね〉
《明日3人で逢おうな》
と
[種橋逮捕されたよ]
のメッセージが届いたんだ