蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第466章 コンプレックス 2-13
その日の夜
雅紀の実家リビング
潤side
悠紀「自由人だからねぇ。父ちゃんと母ちゃんは『雅紀に会いたかった』と言いながら出掛けたからねぇ。兄ちゃんの友達に俺が腕によりを掛けて中華料理を作りますよ」
雅紀「 仕方ないよ。父ちゃんと母ちゃんも久し振りに、じいちゃんとばあちゃんに会いに行く約束を先にしてたんだから」
潤「すいません。台所とか貸して頂けるなら俺が夕食作りますから」
もちろん寮には、翔くんのピアノ発表会の後に、雅紀の実家に一泊する申請を出していた。けど良く考えたら、ご両親は出掛けてたり。弟さんには夕食を作ってもらう。とかすげぇ気を使わせる事になっちゃって
雅紀「もう潤さんは!そんなに深く考えなくていいのにぃ」
悠紀「 そうですよ。潤さん。どうせ兄ちゃんが大丈夫だからって、ちょっと強引に誘ったんでしょうから」
雅紀「悠紀! お前!兄ちゃんに向かって!」
仲の良い兄弟なんだなぁ。 悠紀くんは雅紀より、四つ下だそうだから…まだ中学3年生。14歳?15歳?
雅紀に良く似た面差し。けど少し幼い顔立ち。背は背の高い雅紀とほとんど変わらない。イヤ、むしろ雅紀より大きいんじゃないかな?
失礼だけど…雅紀より落ち着いて見える…
その後、ダイニングで 悠紀くんの作った中華料理を3人で美味しく頂いて。イヤ、ほん旨かったんだ
警察学校での職場実習とか、 寮生活とかで少し疲れ気味だったからさ。 久々にすげぇ楽しかったんだ
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雅紀の部屋
潤「 今日は翔くんのピアノを聴けて、悠紀くんの美味しい中華料理も頂けて。とても楽しかったし癒された」
雅紀の部屋で、ソファに二人並んで座ってマッタリと過ごしながら言うと
雅紀「 俺に会った事は? デートした事は?癒しにはならなかったの?潤さん?」
何言って?
そんなの。癒しになったのは決まってる…じゃないか。って思ったし。言おうとしたんだけど…
雅紀の瞳が不安そうに揺れていたから…
潤「 心配すんな。雅紀とこうやって過ごせだ事が一番嬉しかったし。楽しかったし。癒されたよ」
雅紀「潤さんっ!」
チュッ
キス?
潤「ちょっ、ま、待て雅紀!悠紀くんが 同じ家の中にいるんだからなっ?」
マサカな…牽制したのに…
雅紀「どうして?」