蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第311章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ6
2019.4
翔のアパート
翔「じゃあ、美優花行ってくるね」
美優花「いってらっしゃい!翔くん気をつけてね!」
チュッ
翔「ヨシ!モーニングキッス頂きィ!」
美優花「そういう恥ずかしい事、言わないでってば!」
翔「何で?ま、いっか。あのさ、美優花もパティシエ 目指してたのにさ… 俺の我が儘で…」
美優花「翔くん!怒るよ!私は翔くんが好きだから一緒になったの!」
翔「ゴメン… ありがとう美優花… 良い?今が一番大事な時なんだから無理しちゃダメだからね?」
美優花「うん」
翔「本当、大丈夫かな?美優花は頑張っちゃうからな…」
俺が自分の存在価値に悩んで潰れそうになってた時…イヤ、 製菓調理専門学校で初めて会った時から、ずっと一緒にいてくれた美優花と籍を入れて。今は… だいぶ気持ちが落ち着いて来てた…俺
翔「あ、やべ。今日は実習で生クリームケーキ作るんだった(実家)にある教科書取りに行こうとか思ってたのに忘れてた…」
そりゃ、ケーキの基本中の基本だもん。何度も作って作り方は 知ってはいるけど… 俺の性格上の都合ってヤツ
翔「講師の使う資料とか貰ってるけど、学校の時の教科書とかとも照らし合わせて、もう一度良く予習しなくちゃ」
納得するまで予習しないと人に教えるなんて… 怖くてとても 出来ないからね…
石橋を叩いてみて、それでも安心出来なくて、何度も叩いて叩いて渡る
つまりそういうタイプなの俺は…
(学校までまだ時間あるし取りに行こう)
-実家-
-翔の部屋の前-
潤「翔!」
翔「潤にぃ… 久し振りだね? お帰り。パリで就職すると思ってたのに。日本で雅紀にぃと店をするって聞いてびっくりしたよ。 帰って来てるの知ってたのにさ、顔を出さないでゴメンね」
潤 「俺の方だよ。ビックリしたのは。雅紀にぃから聞かされた時は… マジだったんだな… 結婚… ネックレスが見えてる…ヘッドの先の指輪が…」
翔「潤にぃ、事後承諾で本当 ゴメン。それは謝るよ。報告遅くなってゴメン…」
雅紀「翔!帰ってたの?何二人してこんな所で固まってんだよ?リビングとか部屋で話せばいいじゃん!」
-翔が仕事に向かった後の雅紀と潤-
潤「翔が来年父親になる?」
雅紀「それも… 双子?」