蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第264章 追憶のキミ 27
-北の対の屋- に近い城の 修復箇所
和也と智
(…何だ?翔若君のお小姓自らお出ましとは?)
智「何だ?和也殿?」
和也「ご挨拶ですね?智殿」
智「翔若君に… 何かあったのか?」
和也殿は、柳眉を下げて静かに涙していて…
和也「智殿… 翔若様とはいつから?」
智「一月前か… 翔若様ね。まぁ、どこからどう見ても高貴なお方にしか見えねぇのに、あの若君は『小姓だ』って言い張ってだぞ」
和也「…小姓」
(翔若様… きっと、この不思議な智殿にだけは… 甘えておられたのですね… 私には…)
智「和也殿… 翔若君は、和也殿にだけは… 甘えている様に見えるがな。先日のお姿を隠された件… 翔若君は、私と話しながら誰か(早く見つけてくれ…)… そんな感じでソワソワとしているのが分かったからな」
(その時は… 翔若君の待ち人が、和也殿とは分からなかったけどな…)
(翔若様が… 私を待っていて下さった?)
それが本当なら… 私は幸せで心が満たされるのを感じていた…
(和也殿。又、嬉しそうに… 素直な反応を… 初めて会った時は… 凄い警戒心を感じたが… 翔若君も… 素直さと、警戒心… 疑念を抱きながら生きておられる感じで、辛くなったんだよな…)